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JavaScriptのforEachメソッドを極める7つの方法

JavaScriptのforEachメソッドを使いこなすためのコード JS
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

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●forEachメソッドとは?

こんにちは、JavaScriptのforEachメソッドについて一緒に学んでいきましょう。

配列やオブジェクトの要素を1つずつ処理するのに、for文を使っていませんか?

でも、for文って結構記述が長くなったり、インデックスを管理するのが面倒だったりしますよね。

そんな時に活躍するのが、forEachメソッドです。

forEachメソッドを使えば、配列やオブジェクトの各要素に対して、簡潔に処理を行うことができます。

コードの可読性が上がるだけでなく、バグも減らせるので、開発効率もアップします。

○forEachメソッドの基本的な使い方

まずは、forEachメソッドの基本的な使い方から見ていきましょう。

forEachメソッドは、配列やオブジェクトに対して使用します。

配列の各要素に対して、指定したコールバック関数を実行してくれます。

コールバック関数には、現在処理している要素の値、インデックス、そして配列自体が引数として渡されます。

この引数を使うことで、要素に対して自由に処理を行うことができるんですね。

○サンプルコード1:配列の要素を反復処理する

具体的なコードを見ていきましょう。

次のように、配列の各要素をコンソールに出力する場合を考えてみます。

const fruits = ['apple', 'banana', 'orange'];

fruits.forEach(function(fruit) {
  console.log(fruit);
});

実行結果

apple
banana
orange

forEachメソッドのコールバック関数では、第1引数に現在処理している要素の値が入ります。

ここでは、fruitという変数名で受け取っています。

そして、console.log(fruit)で、各要素の値をコンソールに出力しています。

とてもシンプルですね。

○サンプルコード2:インデックスを取得しながら反復処理する

次に、インデックスを取得しながら処理を行う方法を見てみましょう。

先ほどのコードを少し変更します。

const fruits = ['apple', 'banana', 'orange'];

fruits.forEach(function(fruit, index) {
  console.log(`${index}: ${fruit}`);
});

実行結果

0: apple
1: banana
2: orange

forEachメソッドのコールバック関数では、第2引数にインデックスが渡されます。

ここでは、indexという変数名で受け取っています。

そして、テンプレート文字列を使って、インデックスと要素の値を組み合わせて出力しています。

●アロー関数とforEachメソッドの組み合わせ

forEachメソッドのコールバック関数には、通常の関数だけでなく、アロー関数も使えるんです。

アロー関数を使うと、コードがよりシンプルで読みやすくなります。

特に、処理が1行で終わる場合は、アロー関数を使うのがおすすめですよ。

経験上、アロー関数を使ったforEachメソッドは、チームメンバーからも好評だったりします。

コードレビューの際に、「このコード、わかりやすいね!」と言われることも多いです。

○サンプルコード3:アロー関数を使った簡潔な記述

では早速、アロー関数を使ったforEachメソッドのコードを見てみましょう。

先ほどの配列の要素を出力する例を、アロー関数で書き換えてみます。

const fruits = ['apple', 'banana', 'orange'];

fruits.forEach(fruit => {
  console.log(fruit);
});

アロー関数を使うことで、functionキーワードや引数を囲む括弧を省略できました。

その結果、コードがよりシンプルになり、可読性が向上しています。

実行結果は、通常の関数を使った場合と同じです。

apple
banana
orange

アロー関数は、特に1行で処理が完結する場合に威力を発揮します。

例えば、配列の各要素を2倍にする処理は、こんな風に書けます。

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

numbers.forEach(num => console.log(num * 2));

実行結果

2
4
6
8
10

1行でスッキリ書けて、読みやすいコードになりましたね。

○サンプルコード4:アロー関数とif文の組み合わせ

ちょっとややこしいですが、アロー関数の中でif文を使うこともできます。

例えば、配列の中から偶数だけを出力したい場合は、こんな風に書けます。

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

numbers.forEach(num => {
  if (num % 2 === 0) {
    console.log(num);
  }
});

実行結果

2
4

アロー関数の中で、if文を使って条件分岐を行っています。

num % 2 === 0で、numが偶数かどうかを判定しているんですね。

ただ、if文を使う場合は、アロー関数の中で複数行の処理を書く必要があります。

その場合は、ブロック({})で囲む必要があるので、少し読みづらくなってしまうかもしれません。

よって、条件分岐が複雑になる場合は、通常の関数を使った方が良いでしょう。

アロー関数は、シンプルな処理に使うのがおすすめです。

●連想配列とforEachメソッドの活用

それでは、連想配列(オブジェクト)にforEachメソッドを使う方法を見ていきましょう。

連想配列は、キーと値のペアを持つデータ構造です。

forEachメソッドを使えば、連想配列のキーと値を簡単に取得できるんです。

プログラミング歴2年ほどのフロントエンドエンジニアの方なら、連想配列は頻繁に使っていると思います。

でも、forEachメソッドを使った連想配列の処理には、ちょっとしたコツがあるんですよ。

○サンプルコード5:連想配列のキーと値を取得する

まずは、連想配列のキーと値を取得する方法から見ていきましょう。

次のような連想配列があるとします。

const user = {
  name: '山田太郎',
  age: 30,
  gender: '男性'
};

この連想配列のキーと値を、forEachメソッドを使って出力してみましょう。

Object.keys(user).forEach(key => {
  console.log(`${key}:${user[key]}`);
});

実行結果

name:山田太郎
age:30
gender:男性

Object.keys(user)で、連想配列userのキーを配列として取得しています。

そして、その配列に対してforEachメソッドを使って、各キーに対応する値を出力しているんです。

キーはkey変数に格納され、値はuser[key]で取得しています。

連想配列の値は、連想配列名[キー名]という形式で取得できるんですね。

ただ、Object.keys()を使うと、連想配列のキーだけが取得されます。

値を直接取得することはできないので、user[key]のように、キーを使って値を取得する必要があります。

○サンプルコード6:連想配列に要素を追加しながら反復処理する

連想配列を使ったもう1つの使用例として、連想配列に要素を追加しながら反復処理を行う方法を見てみましょう。

次のような連想配列があるとします。

const fruitsPrice = {
  apple: 100,
  banana: 80,
  orange: 120
};

この連想配列に、新しいフルーツと価格を追加しながら、各要素を出力してみましょう。

const newFruits = {
  grape: 150,
  melon: 300
};

Object.keys(newFruits).forEach(key => {
  fruitsPrice[key] = newFruits[key];
});

Object.keys(fruitsPrice).forEach(key => {
  console.log(`${key}:${fruitsPrice[key]}円`);
});

実行結果

apple:100円
banana:80円
orange:120円
grape:150円
melon:300円

まず、新しいフルーツと価格を持つ連想配列newFruitsを定義しています。

そして、Object.keys(newFruits).forEach()を使って、newFruitsのキーと値を、元の連想配列fruitsPriceに追加しています。

追加が完了したら、Object.keys(fruitsPrice).forEach()を使って、fruitsPriceのキーと値を出力しています。

新しいフルーツと価格が追加されていることが確認できますね。

連想配列に要素を追加する場合は、連想配列名[新しいキー] = 値という形式で追加できます。

今回は、fruitsPrice[key] = newFruits[key]という形で、newFruitsの各要素を、fruitsPriceに追加しています。

●forEachメソッドを使う際の注意点

forEachメソッドは便利な反復処理のメソッドですが、いくつか注意点があります。

特に、他の言語でループ処理に使われるbreak文やcontinue文、return文の扱いには気をつける必要があるんです。

プログラミングスクールを卒業したばかりの駆け出しエンジニアの方は、他の言語の知識がforEachメソッドの理解を妨げてしまうことがあるかもしれません。

でも、大丈夫です。

ここでは、forEachメソッドを使う際の注意点を詳しく説明していきますから。

○break文やcontinue文が使えない

まず、forEachメソッドの中では、break文やcontinue文が使えないんです。

for文などでは、break文を使ってループを中断したり、continue文を使って次のループに進んだりできました。

でも、forEachメソッドではそれができないんですね。

例えば、次のようなコードはエラーになります。

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

numbers.forEach(num => {
  if (num === 3) {
    break; // エラー:SyntaxError: Illegal break statement
  }
  console.log(num);
});

このコードでは、数値が3の時にループを中断しようとしています。

でも、forEachメソッドの中でbreak文を使おうとすると、エラーが発生するんです。

同様に、continue文を使おうとしてもエラーになります。

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

numbers.forEach(num => {
  if (num === 3) {
    continue; // エラー:SyntaxError: Illegal continue statement: no surrounding iteration statement
  }
  console.log(num);
});

このコードでは、数値が3の時に次のループに進もうとしています。

でも、forEachメソッドの中ではcontinue文が使えないので、エラーが発生するんですね。

○returnを使っても反復処理は中断されない

forEachメソッドのコールバック関数の中でreturn文を使っても、反復処理は中断されません。

これは、forEachメソッドが各要素に対して行う処理が、返り値を必要としないためです。

例えば、次のようなコードを見てみましょう。

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

numbers.forEach(num => {
  if (num === 3) {
    return;
  }
  console.log(num);
});

実行結果

1
2
4
5

数値が3の時にreturn文が実行されているので、3は出力されていませんね。

でも、returnを使っても、forEachメソッドの反復処理自体は中断されていません。

4と5も出力されているのがわかります。

ですから、forEachメソッドの中でreturn文を使っても、ループを完全に抜けることはできないんです。

反復処理を中断したい場合は、別の方法を考える必要があります。

例えば、配列のfilterメソッドを使って、条件に合う要素だけを抽出するという方法があります。

filterメソッドなら、特定の条件を満たす要素だけを取り出せるので、効果的にループを制御できます。

●forEachメソッドのエラー処理

forEachメソッドを使っていると、時々思わぬエラーに遭遇することがあります。

ここでは、forEachメソッドを使う際に起こりやすいエラーと、その対処法を詳しく説明します。

サンプルコードを交えながら、一緒に理解を深めていきましょう。

○サンプルコード7:try…catch文を使ったエラー処理

forEachメソッドで発生したエラーをキャッチするには、try…catch文を使うのが一般的です。

try…catch文を使えば、エラーが起きても、スクリプトの実行を止めずに、適切な処理を行うことができます。

それでは実際に、try…catch文を使ったエラー処理の例を見てみましょう。

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];

try {
  numbers.forEach(num => {
    if (num === 3) {
      throw new Error('数値3はスキップします');
    }
    console.log(num);
  });
} catch (error) {
  console.error('エラーが発生しました:', error);
}

この例では、配列numbersの要素を1つずつ処理していきます。

ただし、数値が3の時は、わざとエラーを発生させています。

実行結果は、こうなります。

1
2
エラーが発生しました: Error: 数値3はスキップします

1と2は正常に出力されましたが、3でエラーが発生し、そのエラーメッセージがconsole.errorで出力されました。

4と5は、エラーによって処理が中断されたため、出力されていません。

try…catch文を使うことで、エラーが起きた時の処理を自由に定義できるんです。

例えば、エラーメッセージをログに記録したり、ユーザーに通知したりできます。

また、エラーが発生しても、スクリプトの実行が止まらないので、アプリケーションの安定性も高まります。

ただ、エラー処理を行うことと、エラーを解決することは別物だということは覚えておきましょう。

根本的な解決のためには、エラーの原因を特定し、修正する必要があります。

でも、APIからのレスポンスを処理するような場合は、サーバー側の不具合でエラーが起こることもあります。

そんな時は、適切にエラーをハンドリングしておくことで、アプリケーションをクラッシュから守れるます。

●forEachメソッドとfor文の使い分け

さて、ここまでforEachメソッドについて詳しく見てきましたが、従来のfor文との使い分けについても考えておく必要がありますね。

結論から言うと、どちらを使うかは状況によって異なります。

ここでは、パフォーマンスの違いと、使いやすさ・可読性の観点から、forEachメソッドとfor文を比較してみましょう。

○パフォーマンスの違い

まずは、パフォーマンスの面から見ていきます。

一般的に、for文の方が、forEachメソッドよりも高速だと言われています。

その理由は、forEachメソッドがコールバック関数を呼び出すためのオーバーヘッドがあるためです。

for文は、シンプルなループ処理を行うだけなので、そのようなオーバーヘッドがありません。

ただ、現代のブラウザの最適化技術は非常に優れているため、ほとんどの場合で、その差を気にする必要はないでしょう。

とはいえ、大量のデータを処理する場合など、パフォーマンスが重要になる場面では、for文を使うことを検討した方がいいかもしれません。

例えば、10万件のデータを処理する際に、for文とforEachメソッドでは、実行時間に数十ミリ秒の差が出ることがあります。

そんな時は、for文を選ぶのがベターですね。

○使いやすさと可読性の比較

パフォーマンス面では、for文に軍配が上がりましたが、使いやすさと可読性では、forEachメソッドに分があります。

コードの記述量が減り、シンプルで読みやすいコードになるんです。

特に、配列の要素に対して同じ処理を行う場合、forEachメソッドを使った方がスッキリと書けます。


インデックスを意識する必要がないので、ミスも減らせるでしょう。

例えば、配列の各要素を2倍にする処理を、for文とforEachメソッドで書き比べてみましょう。

for文版

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];
for (let i = 0; i < numbers.length; i++) {
  numbers[i] *= 2;
}
console.log(numbers); // [2, 4, 6, 8, 10]

forEachメソッド版

const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];
numbers.forEach((num, index) => {
  numbers[index] = num * 2;
});
console.log(numbers); // [2, 4, 6, 8, 10]

forEachメソッド版の方が、インデックスを使わずに済むので、よりシンプルに書けていますね。

ですから、パフォーマンスが重要でない限り、基本的にはforEachメソッドを使うのがおすすめです。

コードの可読性と保守性が高まり、バグも減らせるでしょう。

でも、forEachメソッドが使えない場面もあります。

例えば、ループ処理を途中で抜けたい場合は、for文を使う必要があります。

forEachメソッドには、break文やcontinue文が使えないので、そういう場合はfor文を選びましょう。

また、古いブラウザではforEachメソッドがサポートされていない可能性があります。

幅広いユーザーをターゲットにしたWebサイトを作る場合は、for文を使った方が無難かもしれませんね。

まとめ

JavaScriptのforEachメソッドは、配列やオブジェクトの反復処理を簡潔に書けるとても便利なメソッドでしたね。

基本的な使い方から、アロー関数や連想配列との組み合わせ、エラー処理まで、幅広く学ぶことができたと思います。

forEachメソッドを使いこなすことで、コードの可読性と保守性が高まり、バグの少ない堅牢なプログラムを書けるようになります。

一方、パフォーマンスが重要な場面では、従来のfor文を使うのも一つの選択肢だということも理解できましたね。

大切なのは、状況に応じて適切な方を選び、一貫性のあるコードを書くことです。

今回学んだことを活かして、実際のプロジェクトでforEachメソッドを活用してみてください。