●disabled属性とは?
disabled属性は、HTMLの要素を無効化するための属性です。
この属性が設定された要素は、ユーザーからの操作を受け付けなくなります。
○disabled属性の基本
disabled属性は、ボタンやテキストフィールド、ラジオボタン、チェックボックスなど、様々な要素に設定することができます。
この属性を設定するには、単にdisabled属性を要素に追加するだけです。
このようにdisabled属性を設定すると、要素が無効化され、ユーザーからの操作を受け付けなくなります。
○disabled属性の役割
disabled属性の主な役割は、次の2つです。
- ユーザーからの不必要な操作を防ぐ
- フォームの送信時に、無効化された要素のデータを送信しない
例えば、ユーザーが必要な情報を入力していない状態で、フォームの送信ボタンを無効化することで、不完全なデータの送信を防ぐことができます。
また、無効化された要素のデータは、フォームの送信時に自動的に除外されるため、サーバー側で不要なデータを処理する必要がありません。
●JavaScriptでdisabled属性を判定する方法
さて、disabled属性について理解が深まったところで、いよいよJavaScriptを使ってdisabled属性を判定する方法を見ていきましょう。
JavaScriptには、disabled属性を判定するための様々な方法があります。
○サンプルコード1:getAttributeを使った判定
まずは、getAttributeメソッドを使った判定方法から見ていきましょう。
getAttributeメソッドは、要素の属性値を取得するためのメソッドです。
このコードでは、idがmyElementである要素を取得し、getAttributeメソッドを使ってdisabled属性の値を取得しています。
disabled属性が設定されている場合、getAttributeメソッドはdisabledという文字列を返します。
一方、disabled属性が設定されていない場合、getAttributeメソッドはnullを返します。
したがって、getAttributeメソッドの戻り値がnullでない場合、その要素はdisabledであると判定できます。
実行結果
○サンプルコード2:hasAttributeを使った判定
次に、hasAttributeメソッドを使った判定方法を見ていきましょう。
hasAttributeメソッドは、要素が指定された属性を持っているかどうかを真偽値で返します。
このコードでは、idがmyElementである要素を取得し、hasAttributeメソッドを使ってdisabled属性の有無を判定しています。
disabled属性が設定されている場合、hasAttributeメソッドはtrueを返します。
一方、disabled属性が設定されていない場合、hasAttributeメソッドはfalseを返します。
したがって、hasAttributeメソッドの戻り値がtrueの場合、その要素はdisabledであると判定できます。
実行結果
hasAttributeメソッドを使えば、getAttributeメソッドよりもシンプルにdisabled属性の有無を判定できます。
○サンプルコード3:propertyを使った判定
JavaScriptでは、要素のプロパティを使ってdisabled属性を判定することもできます。
このコードでは、idがmyElementである要素を取得し、disabledプロパティを使ってdisabled属性を判定しています。
disabled属性が設定されている場合、disabledプロパティはtrueを返します。
一方、disabled属性が設定されていない場合、disabledプロパティはfalseを返します。
したがって、disabledプロパティの値がtrueの場合、その要素はdisabledであると判定できます。
実行結果
○サンプルコード4:disabledプロパティを使った判定
サンプルコード3でも紹介したように、disabledプロパティを使ってdisabled属性を判定することができます。
ここでは、もう少し詳しくdisabledプロパティの使い方を見ていきましょう。
このコードでは、idがmyElementである要素を取得し、disabledプロパティを使ってdisabled属性を判定しています。
disabledプロパティの値がtrueの場合、その要素はdisabledであると判定できます。
ただし、disabledプロパティの値は、必ずしもtrueまたはfalseとは限りません。disabledプロパティの値が空文字列やnullの場合もあります。
そのため、厳密に判定するためには、次のようにするとよいでしょう。
このコードでは、disabledプロパティの値がtrueまたは文字列の’true’の場合、その要素をdisabledであると判定しています。
実行結果
○サンプルコード5:CSSセレクタを使った判定
最後に、CSSセレクタを使ったdisabled属性の判定方法を見ていきましょう。
CSSセレクタを使えば、disabled属性が設定された要素を簡単に選択することができます。
このコードでは、CSSセレクタ[disabled]を使って、disabled属性が設定された要素をすべて選択しています。
querySelectorAllメソッドは、指定されたCSSセレクタに一致するすべての要素を返します。
したがって、disabledElementsには、disabled属性が設定された要素がすべて含まれます。
disabledElements.lengthを使えば、disabled属性が設定された要素の数を取得することができます。
実行結果
このように、CSSセレクタを使えば、JavaScriptのコードを書かなくても、disabled属性が設定された要素を簡単に選択することができます。
●jQueryでdisabled属性を判定する方法
JavaScriptでdisabled属性を判定する方法について理解が深まったところで、今度はjQueryを使ってdisabled属性を判定する方法を見ていきましょう。
jQueryは、JavaScriptのライブラリの一つで、少ないコード量で効率的にWebアプリケーションを開発することができます。
○サンプルコード6:attrを使った判定
まずは、jQueryのattrメソッドを使ったdisabled属性の判定方法から見ていきましょう。
attrメソッドは、要素の属性値を取得したり、設定したりするためのメソッドです。
このコードでは、idがmyElementである要素を、jQueryの$関数を使って取得しています。
そして、attrメソッドを使ってdisabled属性の値を取得しています。
disabled属性が設定されている場合、attrメソッドはdisabledという文字列を返します。
一方、disabled属性が設定されていない場合、attrメソッドはundefinedを返します。
したがって、attrメソッドの戻り値がundefinedでない場合、その要素はdisabledであると判定できます。
実行結果
○サンプルコード7:propを使った判定
次に、jQueryのpropメソッドを使ったdisabled属性の判定方法を見ていきましょう。
propメソッドは、要素のプロパティを取得したり、設定したりするためのメソッドです。
このコードでは、idがmyElementである要素を、jQueryの$関数を使って取得しています。
そして、propメソッドを使ってdisabledプロパティの値を取得しています。
disabled属性が設定されている場合、propメソッドはtrueを返します。
一方、disabled属性が設定されていない場合、propメソッドはfalseを返します。
したがって、propメソッドの戻り値がtrueの場合、その要素はdisabledであると判定できます。
実行結果
○サンプルコード8:is(‘:disabled’)を使った判定
jQueryには、is(‘:disabled’)という便利なメソッドがあります。
これを使えば、要素がdisabledかどうかを簡単に判定することができます。
このコードでは、idがmyElementである要素を、jQueryの$関数を使って取得しています。
そして、is(‘:disabled’)メソッドを使って、その要素がdisabledかどうかを判定しています。
要素がdisabledの場合、is(‘:disabled’)メソッドはtrueを返します。
一方、要素がdisabledでない場合、is(‘:disabled’)メソッドはfalseを返します。
したがって、is(‘:disabled’)メソッドの戻り値がtrueの場合、その要素はdisabledであると判定できます。
実行結果
is(‘:disabled’)メソッドを使えば、jQueryのコードをシンプルに書くことができます。
○サンプルコード9:CSSセレクタを使った判定
jQueryでは、CSSセレクタを使ってdisabled属性が設定された要素を選択することもできます。
このコードでは、CSSセレクタ[disabled]を使って、disabled属性が設定された要素をすべて選択しています。
jQueryの$関数は、指定されたCSSセレクタに一致するすべての要素を返します。
したがって、$disabledElementsには、disabled属性が設定された要素がすべて含まれます。
$disabledElements.lengthを使えば、disabled属性が設定された要素の数を取得することができます。
実行結果
このように、jQueryのCSSセレクタを使えば、JavaScriptのコードを書かなくても、disabled属性が設定された要素を簡単に選択することができます。
○サンプルコード10:eachを使った一括判定
最後に、jQueryのeachメソッドを使って、複数の要素のdisabled属性を一括で判定する方法を見ていきましょう。
eachメソッドは、選択された要素に対して、指定された関数を順番に実行するためのメソッドです。
このコードでは、input要素をすべて選択し、eachメソッドを使って、それぞれの要素に対して関数を実行しています。
関数の中では、$(this)を使って、現在の要素を取得しています。そして、is(‘:disabled’)メソッドを使って、その要素がdisabledかどうかを判定しています。
実行結果
このように、jQueryのeachメソッドを使えば、複数の要素のdisabled属性を一括で判定することができます。
●よくあるエラーと対処法
JavaScriptやjQueryを使ってdisabled属性を判定する際、初心者の方はいくつかのエラーにぶつかることがあると思います。
ここでは、そんなエラーの原因と対処法について見ていきましょう。
○「Uncaught TypeError」エラーへの対処
「Uncaught TypeError: Cannot read property ‘disabled’ of null」というエラーが発生することがあります。
このエラーは、JavaScriptやjQueryで要素を取得しようとしたときに、その要素が存在しない場合に発生します。
たとえば、次のようなコードを実行したとします。
このコードでは、idがmyElementである要素を取得し、disabledプロパティを使ってdisabled属性を判定しています。
しかし、もしHTMLにidがmyElementである要素が存在しない場合、document.getElementById(‘myElement’)はnullを返します。
そして、nullに対してdisabledプロパティにアクセスしようとするため、「Uncaught TypeError: Cannot read property ‘disabled’ of null」というエラーが発生してしまうのです。
このエラーを防ぐためには、要素が存在するかどうかを確認してから、disabledプロパティにアクセスするようにします。
このように、要素が存在する場合にのみdisabledプロパティにアクセスするようにすれば、「Uncaught TypeError」エラーを防ぐことができます。
○「undefined」エラーへの対処
「Uncaught TypeError: Cannot read property ‘disabled’ of undefined」というエラーが発生することがあります。
このエラーは、JavaScriptやjQueryで要素を取得しようとしたときに、その要素が存在しない場合に発生します。
たとえば、次のようなコードを実行したとします。
このコードでは、input要素をすべて取得し、disabledプロパティを使ってdisabled属性を判定しています。
しかし、もしHTMLにinput要素が存在しない場合、document.getElementsByTagName(‘input’)は空の配列を返します。
そして、空の配列に対してdisabledプロパティにアクセスしようとするため、「Uncaught TypeError: Cannot read property ‘disabled’ of undefined」というエラーが発生してしまうのです。
このエラーを防ぐためには、要素が存在するかどうかを確認してから、disabledプロパティにアクセスするようにします。
このように、要素が存在する場合にのみdisabledプロパティにアクセスするようにすれば、「undefined」エラーを防ぐことができます。
○「object is not a function」エラーへの対処
「Uncaught TypeError: object is not a function」というエラーが発生することがあります。
このエラーは、JavaScriptやjQueryで関数を呼び出そうとしたときに、その関数が存在しない場合に発生します。
たとえば、次のようなコードを実行したとします。
このコードでは、idがmyElementである要素を、jQueryの$関数を使って取得しています。
そして、attrメソッドを使ってdisabled属性の値を取得しています。
しかし、もしjQueryがページに読み込まれていない場合、$関数は存在しません。
そのため、「Uncaught TypeError: object is not a function」というエラーが発生してしまうのです。
このエラーを防ぐためには、jQueryがページに読み込まれているかどうかを確認してから、$関数を使うようにします。
このように、jQueryがページに読み込まれている場合にのみ$関数を使うようにすれば、「object is not a function」エラーを防ぐことができます。
●disabled属性の応用例
これまでは、JavaScriptとjQueryを使ってdisabled属性を判定する方法について解説してきました。
ここからは、実際のWebアプリケーション開発で、disabled属性をどのように活用できるのかを見ていきましょう。
○サンプルコード11:フォーム送信の制御
フォームの送信ボタンを、入力内容に応じて有効化・無効化することで、ユーザーに適切な入力を促すことができます。
このコードでは、nameInputの値が空でない場合にのみ、submitButtonを有効化しています。
nameInputの値が変更されるたびに、submitButtonのdisabled属性が更新されます。
実行結果
- nameInputが空の場合:submitButtonは無効化されます
- nameInputに値が入力されている場合:submitButtonは有効化されます
このように、disabled属性を動的に制御することで、フォームの送信を適切に制御することができます。
○サンプルコード12:ボタンの活性/非活性の切り替え
ボタンの活性/非活性を、他の条件に応じて切り替えることで、ユーザーに適切な操作を促すことができます。
このコードでは、3秒後にmyButtonを有効化し、テキストを変更しています。
このように、ボタンの活性/非活性を動的に切り替えることで、ユーザーに適切なタイミングで操作を促すことができます。
実行結果
- ページ読み込み直後:myButtonは無効化され、テキストは「クリックしてください」です
- 3秒後:myButtonは有効化され、テキストは「今すぐクリック!」に変更されます
○サンプルコード13:入力内容のバリデーション
フォームの入力内容をバリデーションし、不適切な入力がある場合は送信ボタンを無効化することで、ユーザーに適切な入力を促すことができます。
このコードでは、emailInputの入力内容が有効なメールアドレスの形式である場合にのみ、submitButtonを有効化しています。
emailInputの値が変更されるたびに、submitButtonのdisabled属性が更新されます。
実行結果
- emailInputが空の場合:submitButtonは無効化されます
- emailInputに有効なメールアドレスが入力されている場合:submitButtonは有効化されます
- emailInputに無効なメールアドレスが入力されている場合:submitButtonは無効化されます
○サンプルコード14:動的にdisabled属性を設定する
これまでのサンプルコードでは、disabled属性を動的に設定する方法を見てきました。
ここでは、その方法をまとめておきましょう。
このように、disabled属性は、プロパティまたは属性として設定・削除することができます。
どちらの方法を使っても、要素の有効/無効を切り替えることができます。
実行結果
- element.disabled = true;:要素が無効化されます
- element.setAttribute(‘disabled’, ‘disabled’);:要素が無効化されます
- element.setAttribute(‘disabled’, ”);:要素が無効化されます
- element.disabled = false;:要素が有効化されます
- element.removeAttribute(‘disabled’);:要素が有効化されます
disabled属性を動的に制御することで、ユーザーに適切な操作を促し、より使いやすいWebアプリケーションを作ることができるでしょう。
まとめ
JavaScriptとjQueryを使ってdisabled属性を判定する方法について解説してきました。
フォームの送信ボタンの制御やボタンの活性/非活性の切り替え、入力内容のバリデーションなど、disabled属性を動的に制御することで、ユーザビリティとセキュリティを向上させることができます。
この記事で学んだdisabled属性の判定方法と活用方法を、ぜひ実務のWebアプリケーション開発にぜひお役立てください。