JavaScriptで配列に要素を追加する方法10選

JavaScript配列追加でスキル3倍UP!使い方・応用例10選JS
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基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

JavaScriptでのプログラミングでは、配列は非常に重要な要素です。

これは、データを効率的に管理し、操作するための基本的なツールであり、開発者にとって必須の知識と言えます。

この記事では、JavaScriptで配列に要素を追加する様々な方法を、初心者から上級者までが理解できるように丁寧に解説します。

各テクニックは、具体的なサンプルコードを交えて説明することで、より実践的な理解を深めることができます。

●配列に要素を追加する基本的な方法

JavaScriptにおいて、配列に新しい要素を追加する基本的な方法は、pushメソッドとunshiftメソッドの2つがあります。

これらのメソッドは、配列の末尾または先頭に新しい要素を追加する際に使用され、シンプルで直感的なコードになります。

○サンプルコード1:pushメソッドの使用例

pushメソッドは、配列の末尾に一つまたは複数の要素を追加するために使用されます。

下記のサンプルコードでは、配列fruitsに新しい要素'banana'を追加しています。

let fruits = ['apple', 'orange'];
fruits.push('banana');
console.log(fruits); // 出力: ['apple', 'orange', 'banana']

このコードでは、最初に'apple''orange'を要素として持つ配列fruitsを定義しています。

その後、pushメソッドを使って'banana'を追加し、最終的に配列は3つの要素を持つことになります。

コンソールに出力すると、['apple', 'orange', 'banana']と表示されます。

○サンプルコード2:unshiftメソッドの使用例

一方でunshiftメソッドは、配列の先頭に新しい要素を追加するのに使います。

下記のサンプルコードでは、fruits配列の先頭に'strawberry'を追加しています。

let fruits = ['apple', 'orange'];
fruits.unshift('strawberry');
console.log(fruits); // 出力: ['strawberry', 'apple', 'orange']

この例では、fruits配列に'strawberry'が追加され、新しい配列は['strawberry', 'apple', 'orange']という順序で要素が並びます。

unshiftメソッドは、特にリストの最初に新しい要素を加える場合に便利なメソッドです。

●配列の特定位置に要素を追加する方法

JavaScriptにおいて配列の特定の位置に要素を追加する場合、spliceメソッドが非常に有効です。

このメソッドは、配列の任意の位置に新しい要素を挿入したり、既存の要素を置き換えたり、削除したりすることができます。

spliceの使い方は多岐にわたり、配列操作の中でも特に柔軟性の高いメソッドと言えるでしょう。

○サンプルコード3:spliceメソッドの使用例

ここでは、spliceメソッドを使用して配列の中間に新しい要素を挿入する例を見てみましょう。

下記のサンプルコードでは、fruits配列の2番目の位置に'banana'を挿入しています。

let fruits = ['apple', 'orange', 'melon'];
fruits.splice(2, 0, 'banana');
console.log(fruits); // 出力: ['apple', 'orange', 'banana', 'melon']

このコードでは、fruits配列に初めに'apple', 'orange', 'melon'の3つの要素があります。

spliceメソッドの最初の引数2は、操作を開始する位置(この場合は3番目の要素の前)を指定しています。

次の引数0は、削除する要素の数を表し、この場合は何も削除しないことを意味します。

最後の引数'banana'は、追加する新しい要素です。

結果として、'banana''orange''melon'の間に挿入されます。

●複数の配列を結合する方法

JavaScriptにおいて、異なる配列を一つにまとめる必要がある場合、concatメソッドが非常に役立ちます。

このメソッドは、複数の配列を結合して新しい配列を作成するのに使用されます。

特に、大量のデータを扱う際や、異なるデータソースからの情報を一元管理したい場合に便利です。

○サンプルコード4:concatメソッドの使用例

下記のサンプルコードでは、二つの異なる果物の配列を結合しています。

fruits1配列には'apple''orange'が、fruits2配列には'banana''melon'がそれぞれ格納されています。

concatメソッドを使用してこれらの配列を結合し、新しい配列allFruitsを作成します。

let fruits1 = ['apple', 'orange'];
let fruits2 = ['banana', 'melon'];
let allFruits = fruits1.concat(fruits2);
console.log(allFruits); // 出力: ['apple', 'orange', 'banana', 'melon']

このコードのポイントは、concatメソッドが元の配列fruits1fruits2を変更せずに、新しい配列allFruitsを作成していることです。

結果として、'apple', 'orange', 'banana', 'melon'の順で要素が並んだ新しい配列が得られます。

●配列内の既存の要素を置き換える方法

JavaScriptで配列内の既存の要素を一新したい場合、fillメソッドは非常に有用です。

このメソッドは、配列内のすべての要素を静的な値で置き換えることができ、特定の範囲を指定してその部分だけを置き換えることも可能です。

これは、初期化やデータのリセットに役立ち、一定のパターンを持つ配列を作成する際に特に便利な機能です。

○サンプルコード5:fillメソッドの使用例

下記のサンプルコードでは、fillメソッドを使用して配列のすべての要素を同じ値で置き換えています。ここでは、配列numbersの全ての要素を0に置き換える操作を行っています。

let numbers = [1, 2, 3, 4, 5];
numbers.fill(0);
console.log(numbers); // 出力: [0, 0, 0, 0, 0]

この例では、numbers配列に格納されている1, 2, 3, 4, 5という各要素が、fillメソッドにより0で置き換えられています。

結果として、全ての要素が0で均一化された新しい配列が得られます。

fillメソッドは、単純な値で配列を一括で更新する必要がある場合に非常に便利です。

●配列に要素を追加しつつ、イテレーションする方法

JavaScriptで配列の処理を行う際に、特定の条件に基づき要素を追加しながら配列をイテレーション(繰り返し処理)する必要がある場合、forEachメソッドとpushメソッドの組み合わせが非常に有効です。

forEachメソッドを使用すると、配列の各要素に対して順番に関数を実行することができ、その中で条件に応じてpushメソッドを使って新しい要素を追加することが可能になります。

○サンプルコード6:forEachループとpushの組み合わせ

下記のサンプルコードでは、元の配列numbersの各要素が偶数の場合に、新しい配列evenNumbersにその要素を追加しています。

forEachメソッドで配列をループし、各要素に対して偶数かどうかを判定し、偶数であればpushメソッドを使用してevenNumbersに追加しています。

let numbers = [1, 2, 3, 4, 5];
let evenNumbers = [];
numbers.forEach(number => {
  if (number % 2 === 0) {
    evenNumbers.push(number);
  }
});
console.log(evenNumbers); // 出力: [2, 4]

このコードでは、numbers配列に含まれる各数値に対して%(剰余)演算子を使って偶数かどうかを判定しています。

条件に合致する(この場合は偶数である)数値をevenNumbers配列に追加しています。

最終的に、evenNumbers配列にはnumbers配列の偶数要素のみが含まれることになります。

●ES6+の新しい方法を使った配列操作

ES6(ECMAScript 2015)以降のJavaScriptでは、配列操作のための新しい方法がいくつか追加されました。

これらの新機能には、より簡潔で読みやすいコードを書くための便利なシンタックスが含まれており、プログラミングの効率と表現力を大幅に向上させています。

○サンプルコード7:スプレッド構文 (…) の使用例

スプレッド構文(...)は、配列やオブジェクトの要素を個々の要素として展開するのに使用されます。

下記のサンプルコードでは、2つの異なる配列をスプレッド構文を用いて結合しています。

let fruits1 = ['apple', 'orange'];
let fruits2 = ['banana', 'melon'];
let combinedFruits = [...fruits1, ...fruits2];
console.log(combinedFruits); // 出力: ['apple', 'orange', 'banana', 'melon']

このコードでは、fruits1fruits2という2つの配列がスプレッド構文によって結合され、新しい配列combinedFruitsが作成されています。

スプレッド構文は、配列の結合やオブジェクトのマージなど、様々な場面で非常に役立ちます。

○サンプルコード8:Array.fromメソッドの使用例

Array.fromメソッドは、配列風のオブジェクト(array-like object)や反復可能なオブジェクト(iterable object)から新しい配列インスタンスを作成します。

下記のサンプルコードでは、Array.fromメソッドを使用して文字列を配列に変換しています。

let str = 'Hello';
let lettersArray = Array.from(str);
console.log(lettersArray); // 出力: ['H', 'e', 'l', 'l', 'o']

このコードでは、文字列'Hello'Array.fromメソッドによって各文字が要素となる配列に変換されています。

これにより、文字列の各文字に対して配列のメソッドを利用することができるようになります。

●配列操作に関するよくあるエラーと対処法

JavaScriptで配列を操作する際には、特に注意が必要ないくつかの一般的なエラーがあります。

これらのエラーを理解し、適切に対処することで、効率的かつバグの少ないプログラミングが可能になります。

ここでは、JavaScriptにおける配列操作でよくあるエラーとその対処法について解説します。

○エラー例1:pushメソッド使用時の誤解とその対策

pushメソッドは配列の末尾に一つ以上の要素を追加し、新しい配列の長さを返します。

一般的な誤解は、pushメソッドが新しい配列を返すと考えることですが、実際には配列の新しい長さを返します。

この誤解を避けるためには、pushメソッドの戻り値ではなく、変更された元の配列を使用する必要があります。

let fruits = ['apple', 'orange'];
let newLength = fruits.push('banana');
console.log(fruits); // 出力: ['apple', 'orange', 'banana']
console.log(newLength); // 出力: 3

このコードでは、fruits配列に'banana'が追加され、pushメソッドの戻り値として新しい配列の長さがnewLengthに格納されます。

○エラー例2:非破壊的メソッドと破壊的メソッドの違い

JavaScriptにおける配列操作には、「非破壊的メソッド」と「破壊的メソッド」が存在します。

非破壊的メソッドは、元の配列を変更せずに新しい配列を返すメソッドであり、破壊的メソッドは元の配列自体を変更するメソッドです。

これらの違いを理解し、間違った方法で配列を操作することを避けることが重要です。

例えば、sliceメソッドは非破壊的で、元の配列を変更せずに新しい配列の一部を返します。

一方で、spliceメソッドは破壊的で、元の配列を変更し、削除された要素を返します。

非破壊的メソッド(slice)の例は、下記のようになります。

let numbers = [1, 2, 3, 4, 5];
let sliced = numbers.slice(2);
console.log(sliced); // 出力: [3, 4, 5]
console.log(numbers); // 出力: [1, 2, 3, 4, 5]

破壊的メソッド(splice)の例は、下記のようになります。

let numbers = [1, 2, 3, 4, 5];
let spliced = numbers.splice(2);
console.log(spliced); // 出力: [3, 4, 5]
console.log(numbers); // 出力: [1, 2]

これらの例から、非破壊的メソッドと破壊的メソッドの違いを明確に理解し、適切な方法で配列を操作することが重要です。

●JavaScript配列操作の応用例

JavaScriptでの配列操作は基本的なものから複雑なものまで多岐にわたります。

特に高度なデータ構造の操作に関しては、より効率的かつ柔軟なコーディングを可能にするための様々なテクニックが存在します。

ここでは、動的な配列生成や高度なデータ構造の操作について、具体的なサンプルコードを交えて解説します。

○サンプルコード9:動的な配列生成のテクニック

JavaScriptでは、動的に配列を生成する方法がいくつかあります。

例えば、Array.fromやスプレッド構文を用いることで、既存のデータから新しい配列を生成することができます。

// Array.fromを使用した例
const range = Array.from({ length: 5 }, (v, i) => i);
console.log(range); // 出力: [0, 1, 2, 3, 4]

// スプレッド構文を使用した例
const data = [1, 2, 3];
const newArray = [...data, 4, 5];
console.log(newArray); // 出力: [1, 2, 3, 4, 5]

このように、Array.fromは特定の長さと値を持つ配列を生成するのに便利ですし、スプレッド構文は既存の配列に新しい要素を追加する際に有効です。

○サンプルコード10:高度なデータ構造の操作例

JavaScriptでは、配列を使ってより複雑なデータ構造を操作することもできます。

例えば、配列の配列(二次元配列)を操作することで、マトリックスのようなデータ構造を扱うことが可能です。

// 二次元配列の作成と操作
const matrix = [[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]];
const transposedMatrix = matrix[0].map((col, i) => matrix.map(row => row[i]));
console.log(transposedMatrix); // 出力: [[1, 4, 7], [2, 5, 8], [3, 6, 9]]

このコードでは、mapメソッドを使用して二次元配列(マトリックス)を転置しています。

このように配列を用いることで、複雑なデータ操作を簡潔に記述することができます。

まとめ

この記事では、JavaScriptにおける配列操作の様々なテクニックを紹介しました。

基本的な方法から始まり、より高度な操作や、よくあるエラーとその対処法までを網羅しました。

これらの知識を身に付けることで、JavaScriptにおける配列操作の幅が広がり、より効率的で洗練されたプログラミングが可能になるでしょう。

この知識が、読者の皆様のプログラミングスキルの向上に役立つことを願っています。