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C言語で効果的に使うconstの全て!7つの具体的な使用例とその詳細な解説

C言語でconstを学ぶ手順を表すイラスト C言語
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

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はじめに

C言語は、プログラミングの世界で広く利用されている言語の一つです。

その特性上、高度なコントロールが可能で、それがシステムプログラミングや組み込みシステムの開発において頻繁に用いられています。

その中でC言語で重要な役割を果たすキーワードの一つが”const”です。

この記事では、C言語の中で使われる”const”について、その基本的な使い方から具体的なサンプルコードを用いた詳細な解説、そして応用例や注意点までをわかりやすく説明していきます。

●C言語とは

C言語は、1970年代にベル研究所で開発されたプログラミング言語です。

その汎用性と表現力、そして直接ハードウェアを操作する能力によって、今日でも多くのプログラマに支持されています。

そして、そのC言語の特性を活かして、より高度なプログラムを作成するために役立つのが”const”キーワードなのです。

●constの基本

“const”は、”constant”(定数)を意味する英語から来ています。

C言語の中で”const”は、変数が一度設定されたらそれ以降変更できないことを表すキーワードです。

そのため、このキーワードを使って変数を宣言すると、それ以降その変数の値は変わることがないため、プログラムの中で一貫性を保つことができます。

●constの詳細な使い方

“const”は様々な場面で利用することができます。

いくつかの主な使い方を紹介します。

○constを使った変数宣言

“const”を使って変数を宣言すると、その変数は初期化の時に設定した値から変更することができません。次のコードを見てみましょう。

const int number = 10;

このコードでは整数型の変数numberを宣言し、その値を10に設定しています。

“const”がついているため、これ以降numberの値は変更することができません。

○constポインタとは

ポインタ変数に対しても”const”を使うことができます。

その際、ポインタ変数が指し示す値(ポイント先の値)を変更できないようにするか、ポインタ自体が別の場所を指す(ポインタの値そのものを変える)ことを禁止するかの2種類の使い方があります。

下記のコードは、ポインタが指す値を変更できないようにする例です。

int number = 10;
const int* ptr = &number;

このコードでは、”number”という変数に対するポインタ”ptr”を宣言しています。

“const”が前についているため、ptrを通じてnumberの値を変更することはできません。

一方で、次のコードはポインタ自体が指し示す場所を変更できないようにする例です。

int number1 = 10;
int number2 = 20;
int* const ptr = &number1;

このコードでは、ptrが最初に指し示したnumber1のアドレスから変更できなくなります。

つまり、ptrを使ってnumber2のアドレスを指すように変更することはできません。

○関数の引数としてconstを使う

関数の引数として”const”を使うことで、関数内で引数の値が変更されることを防ぐことができます。

これにより、意図しない値の変更を防ぐことができ、プログラムの安全性を高めることができます。

下記のコードは、関数の引数として”const”を使用した例です。

void func(const int number) {
    // 関数内でnumberの値を変更することはできません。
}

このコードでは、func関数の引数としてconst int numberを宣言しています。

このため、関数内部でnumberの値を変更することはできません。

●constの具体的なサンプルコード

これまでに学んだconstの基本的な概念と詳細な使い方を活かすためには、実際のサンプルコードを見ることが非常に重要です。

それでは具体的なコードとその説明を見ていきましょう。

○サンプルコード1:constを使った変数宣言

constを使って変数を宣言する基本的な例を紹介します。

#include <stdio.h>

int main() {
    const int a = 5;
    printf("%d\n", a);
    return 0;
}

このコードでは、constキーワードを使って整数型の変数aを宣言し、その値を5に設定しています。

この変数aは、一度設定した値が変更できない、つまり不変の状態となります。

printf関数を用いてaの値を出力すると、「5」と表示されます。

○サンプルコード2:constポインタの使用例

次に、constを用いたポインタについてのサンプルコードを見てみましょう。

#include <stdio.h>

int main() {
    int a = 10;
    const int *p = &a;
    printf("%d\n", *p);
    return 0;
}

このコードでは、整数型の変数aを宣言し、そのアドレスをconstポインタpに設定しています。

この例では、ポインタpが指す値(つまりaの値)は変更できません。pを通じてaの値を出力すると、「10」と表示されます。

○サンプルコード3:関数の引数としてconstを使う例

次に、関数の引数としてconstを使用する方法を見てみましょう。

#include <stdio.h>

void printValue(const int a) {
    printf("%d\n", a);
}

int main() {
    int a = 15;
    printValue(a);
    return 0;
}

このコードでは、関数printValueの引数にconstを指定しています。

これにより、関数内で引数aの値を変更することができなくなります。

printValue関数を用いてaの値を出力すると、「15」と表示されます。

○サンプルコード4:constを使った配列の要素の変更防止

次に、配列の要素を変更から守るためにconstを利用する方法を見ていきましょう。

#include <stdio.h>

int main() {
    const int array[3] = {10, 20, 30};
    for (int i = 0; i < 3; i++) {
        printf("%d\n", array[i]);
    }
    return 0;
}

このサンプルコードでは、constを使って3つの要素を持つ整数型の配列を宣言しています。

この配列の要素は一度設定したら変更できません。

for文を使って配列の全要素を出力すると、順に「10」「20」「30」と表示されます。

○サンプルコード5:constを使った関数内での変数の変更防止

最後に、関数内での変数の変更を防ぐためのconstの使用例を見てみましょう。

#include <stdio.h>

void func() {
    const int a = 50;
    printf("%d\n", a);
}

int main() {
    func();
    return 0;
}

このコードでは、関数func内でconstを用いて整数型の変数aを宣言し、その値を50に設定しています。

この関数内でのaの値は変更できません。

func関数を呼び出して変数aの値を出力すると、「50」と表示されます。

●constの応用例とサンプルコード

さて、これまではconstの基本的な使用方法について解説してきました。

しかし、constはそれだけではなく、さまざまな場面で役立つ強力なツールとなります。

このセクションでは、その応用例を詳しく解説します。

○応用例1:定数としての使用

最初の応用例は、constを定数として使う方法です。

この応用例では、constはプログラム内で一度設定した値を変更しないという、定数の性質を活用します。

#include <stdio.h>

int main() {
    const double PI = 3.141592653589793;
    double radius = 5.0;
    double circumference = 2 * PI * radius;
    printf("Circumference: %.2f\n", circumference);
    return 0;
}

このコードでは、円周率を表す定数PIをconstで宣言しています。

この値は一度設定したらプログラム中で変更されることはありません。

次に、半径radiusを設定し、これを使って円周の長さを計算して出力します。

このとき、円周の長さを計算するための数式にPIが使用されています。

○応用例2:安全な関数の引数

次に、関数の引数としてconstを使用する例を見てみましょう。

ここでは、関数の引数をconstで宣言することにより、関数内で引数の値が変更されるのを防ぐ効果があります。

#include <stdio.h>

void display(const int n) {
    printf("%d\n", n);
}

int main() {
    int number = 100;
    display(number);
    return 0;
}

このコードでは、関数displayの引数nをconstで宣言しています。こ

れにより、関数内で引数nの値を変更することはできません。

関数displayは引数の値を出力するだけの簡単な関数ですが、より複雑な関数では引数の値が意図せずに変更されるのを防ぐために、このようにconstを使うことが役立ちます。

○応用例3:オブジェクト指向プログラミングのためのconstメンバ関数

最後の応用例は、C++のようなオブジェクト指向言語でよく使われるパターンで、メンバ関数をconstで宣言することで、その関数がオブジェクトの状態を変更しないことを保証します。

ただし、C言語はオブジェクト指向を直接サポートしていないため、この例はC++のコードとなります。

#include <iostream>

class Circle {
private:
    double radius;
public:
    Circle(double r) : radius(r) {}
    double getRadius() const { return radius; }
};

int main() {
    Circle c(5.0);
    std::cout << "Radius: " << c.getRadius() << std::endl;
    return 0;
}

●constの詳細な注意点と対処法

C言語のconstキーワードを使用する上で、注意するべき点とそれぞれの対処法を説明していきます。

理解を深め、効果的にconstを利用するための知識を身につけていきましょう。

まず一つ目の注意点ですが、constで宣言された変数の値は、初期化の際にのみ設定でき、それ以降は変更できません。

これはconstが「定数」を意味するためです。

そのため、constを使用する際には初期化を忘れないようにしましょう。

次のコードを見てみましょう。

#include <stdio.h>

int main() {
    const int x;
    x = 10;
    printf("%d\n", x);
    return 0;
}

このコードを実行するとエラーが出ます。「x = 10;」の行で、constで宣言されたxに値を代入しようとしているためです。

constを使った変数宣言では、宣言と同時に初期化を行う必要があります。

対処法としては、変数の宣言と同時に初期化を行うことが必要です。

次のように修正します。

#include <stdio.h>

int main() {
    const int x = 10;
    printf("%d\n", x);
    return 0;
}

この修正を行ったコードは問題なく実行でき、出力結果として「10」を得ることができます。

次の注意点は、constで宣言されたポインタ変数です。

この場合、ポインタが指す値の変更が禁止されますが、ポインタ自体の値(つまり、ポインタが指すアドレス)を変更することは可能です。

具体的なコードを見てみましょう。

#include <stdio.h>

int main() {
    int y = 10;
    const int *ptr = &y;
    *ptr = 20;  
    printf("%d\n", y);
    return 0;
}

このコードでは、「*ptr = 20;」の行でエラーが発生します。

constポインタptrを通じて、指す先の値を変更しようとしているからです。

この場合の対処法は、constポインタを通じて指す先の値を直接変更しようとするのを避け、ポインタが指す変数を直接変更することです。

#include <stdio.h>

int main() {
    int y = 10;
    const int *ptr = &y;
    y = 20;  
    printf("%d\n", y);
    return 0;
}

この修正されたコードは問題なく実行され、「20」が出力されます。

これは、直接変数yの値を変更しているため、constポインタの制約に違反していないからです。

●constのカスタマイズ方法

const修飾子の利用法は決して一方的なものではありません。

状況に応じて、あるいはプロジェクトの要求に応じて、それを適応させ、変更することが可能です。

それでは、C言語でconstを使う際のいくつかのカスタマイズ例をご紹介します。

まず一つ目の例として、関数の引数にconst修飾子を用いることで、その関数が引数の値を変更しないことを強制することができます。

しかし、場合によっては、関数内で引数の値を一時的に変更したい場合もあります。

そのような場合、引数を一時的な変数にコピーし、その変数を操作することが可能です。

void func(const int x){
    int temp_x = x; // xの値を一時的な変数にコピー
    temp_x += 10;   // 一時的な変数を操作
    printf("%d\n", temp_x);
}

このコードでは関数funcが、引数xの値を変更しないことを保証しつつ、その一時的なコピーを操作しています。

これは特に、関数の本来の動作に影響を及ぼさずに、デバッグやテストを行いたい場合などに有用です。

また二つ目の例として、const修飾子を使ってポインタの指す先の値が変更できないようにすることがあります。

しかし、場合によっては、一時的にポインタの指す先の値を変更したい場合もあります。

そのような場合、別の一時的なポインタを作成し、そのポインタ経由で値を変更することが可能です。

void func(const int *p){
    int *temp_p = p;  // pの指す先を一時的なポインタにコピー
    *temp_p += 10;    // 一時的なポインタ経由で値を操作
    printf("%d\n", *temp_p);
}

このコードでは関数funcが、ポインタpの指す先の値を変更しないことを保証しつつ、その一時的なコピーを操作しています。

これは特に、関数の本来の動作に影響を及ぼさずに、デバッグやテストを行いたい場合などに有用です。

これらのカスタマイズ方法は、プログラムの安全性を保ちつつ、より多くの柔軟性を提供します。

ただし、const修飾子を回避するためのこれらの手法は、コードの可読性を下げ、バグを引き起こす可能性があるため、慎重に使用する必要があります。

まとめ

以上がC言語でのconst修飾子の詳細な解説となります。

本記事ではconstの基本的な使い方から、その詳細な使い方、具体的なサンプルコード、応用例、注意点、そしてカスタマイズ方法まで、初心者でも理解できるように丁寧に解説しました。

const修飾子は、プログラムの安全性を強化し、コードの意図を明確にするための強力なツールです。

しかし、その使用法は一見すると複雑であるため、正しく理解し、適切に使用することが重要です。

この記事が、あなたのC言語でのプログラミングスキルの向上に役立つことを願っています。

どんな問題にも対応できるように、constの知識を深めていきましょう。