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初心者でもできる!C言語の手続き型プログラミング入門と15の使い方サンプルコード

C言語と手続き型プログラミングのサンプルコードを学ぶ初心者 C言語
この記事は約31分で読めます。

【サイト内のコードはご自由に個人利用・商用利用いただけます】

この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
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はじめに

プログラミングを学びたい初心者の方々に向けて、C言語とその手続き型プログラミングについて詳しく説明します。

15の使い方サンプルコードとともに、初心者でも実践的なC言語の手続き型プログラミングの知識を習得できるよう、わかりやすく解説しています。

●C言語とは

C言語は、1970年代初頭にベル研究所で開発されたプログラミング言語です。

その名が表すように、「B」言語の次に開発され、「C」言語と命名されました。

現在でも多くのオペレーティングシステムやハードウェアの制御に使用されています。

○C言語の特徴

C言語は、その性能の高さと、直接ハードウェアを制御できる能力から広く利用されています。

一方で、C言語はその文法が他の多くの言語の基礎となっており、C言語を学ぶことは他のプログラミング言語を学ぶ際の基礎となります。

●手続き型プログラミングとは

手続き型プログラミングは、プログラムを一連の手続き(または手順)として表現する方法です。

手続きは、特定の操作を行うための一連の命令で、プログラムはこれらの手続きが組み合わさったものとなります。

○手続き型プログラミングの特徴

手続き型プログラミングは、その手順の流れが明確であるため、プログラムの挙動を理解しやすいという特徴があります。

しかし、規模が大きくなると、プログラムの全体像が掴みにくくなるという欠点もあります。

●C言語での手続き型プログラミングの基礎

C言語は基本的に手続き型プログラミング言語として設計されています。

そのため、C言語を使って手続き型プログラミングの基礎を学ぶことは非常に適しています。

○変数と型

C言語では、データを保持するために変数を使用します。

また、整数や浮動小数点数など、変数の種類を定義するためにデータ型を用います。

下記のコードでは、整数型の変数「num」を定義し、その値を10に設定しています。

int num = 10;

上記のコードでは、「int」はデータ型を示し、「num」は変数名を表します。

このコードは、「num」という名前の整数型変数を作り、その値を10に設定します。

○制御構造

制御構造は、プログラムの流れを制御します。

C言語では、「if」文や「switch」文などの条件分岐、そして「for」文や「while」文などのループを使用できます。

「if」文を用いたサンプルコードを紹介します。

int num = 10;
if (num > 5) {
    printf("num is greater than 5\n");
}

上記のコードでは、変数「num」の値が5より大きい場合、”num is greater than 5″というメッセージを出力します。

○関数

関数は、特定の操作を行う一連の命令をまとめたものです。C言語では、関数を作成して特定の処理を何度でも簡単に呼び出すことができます。

整数を二つ受け取り、それらの和を返す関数「add」のサンプルコードを紹介します。

int add(int a, int b) {
    return a + b;
}

上記の関数「add」は、引数として二つの整数を受け取り、その和を返します。

この関数を使用して、次のように二つの数の和を計算することができます。

int result = add(3, 4);  // resultの値は7になります。

これらの基礎を押さえた上で、C言語の手続き型プログラミングの使い方を見ていきましょう。

●C言語の手続き型プログラミングの使い方

C言語を使った手続き型プログラミングの具体的な使い方について、具体的なサンプルコードを用いて解説します。

○サンプルコード1:Hello, World!

まずは、C言語の世界へようこそ!という意味で、”Hello, World!”を出力するプログラムから始めましょう。

#include <stdio.h>

int main() {
    printf("Hello, World!");
    return 0;
}

このコードでは、まずstdio.hというヘッダーファイルをインクルードしています。これにより、標準入出力に関する各種関数が使えるようになります。

次にmain関数を定義し、その中でprintf関数を用いて”Hello, World!”を出力しています。

main関数はC言語プログラムのエントリーポイント(開始点)であり、プログラムが実行されると最初に呼び出される関数です。

このプログラムを実行すると、コンソールに”Hello, World!”と表示されます。

○サンプルコード2:四則演算

次に、基本的な四則演算を行うプログラムを見てみましょう。

#include <stdio.h>

int main() {
    int a = 10;
    int b = 5;
    printf("a + b = %d\n", a + b);
    printf("a - b = %d\n", a - b);
    printf("a * b = %d\n", a * b);
    printf("a / b = %d\n", a / b);
    return 0;
}

このコードでは、変数abに数値を代入し、それらの加算、減算、乗算、除算の結果を出力しています。

%dは整数値を出力するためのフォーマット指定子で、それに続く値が出力されます。

このプログラムを実行すると、それぞれの演算結果がコンソールに表示されます。

○サンプルコード3:条件分岐

プログラミングにおける条件分岐について説明します。

下記のコードは、変数の値によってメッセージを変えて出力するものです。

#include <stdio.h>

int main() {
    int number = 10;
    if (number > 0) {
        printf("numberは正の数です。\n");
    } else {
        printf("numberは0または負の数です。\n");
    }
    return 0;
}

このコードでは、変数numberが正の数かどうかをif文で判断しています。

正の数であれば”numberは正の数です。”と出力し、それ以外(0または負の数)であれば”numberは0または負の数です。”と出力します。

if文は指定した条件が真であるときに、その後のブロック({}で囲まれた部分)のコードを実行します。

条件が偽であるときは、elseの後のブロックが実行されます。

○サンプルコード4:ループ

次にループ処理を行うためのfor文について解説します。

下記のコードは、0から9までの数を順番に出力するものです。

#include <stdio.h>

int main() {
    int i;
    for (i = 0; i < 10; i++) {
        printf("%d\n", i);
    }
    return 0;
}

このコードでは、for文を用いて10回のループを行っています。

for文の括弧内は3つの部分から構成されており、それぞれ初期化式、条件式、更新式です。

初期化式でループカウンタ変数の初期化を行い、条件式でループを続ける条件を指定し、更新式でループごとの変数更新を行います。

このプログラムを実行すると、コンソールに0から9までの数が順番に出力されます。

○サンプルコード5:配列

配列とは、同じ型の複数のデータを連続的に格納するためのデータ構造です。

それぞれのデータは配列のインデックスによってアクセスされます。

整数型の配列を作成し、各要素に値を設定して出力するC言語のコードを紹介します。

#include <stdio.h>

int main() {
    // 整数型の配列を定義し、初期化
    int numbers[5] = {10, 20, 30, 40, 50};

    // 配列の要素を順番に出力
    for (int i = 0; i < 5; i++) {
        printf("%d\n", numbers[i]);  // 配列の各要素を出力
    }

    return 0;
}

このコードでは、まずint numbers[5] = {10, 20, 30, 40, 50};で整数型の配列を定義し、5つの要素を持つように初期化しています。

配列のインデックスは0から始まりますので、numbers[0]は10、numbers[1]は20、といった具体的な値がそれぞれの要素に対応しています。

次に、forループを使って配列の要素を順に出力しています。

ここではi < 5という条件でループを5回繰り返し、printf関数で各要素の値を出力しています。

このコードを実行すると、次の結果が得られます。

10
20
30
40
50

これが配列の基本的な使い方です。

配列は複数のデータを一つの変数で管理できるため、大量のデータを扱うプログラムで非常に役立ちます。

また、配列を使えば、ループと組み合わせて繰り返し同じ処理を行うことも容易になります。

しかし、配列を使用する際には注意点があります。

それは配列のサイズ(つまり、要素の数)は固定であるということです。

配列を宣言する際にサイズを決定し、その後はサイズを変更することはできません。

もし動的にサイズを変更する必要がある場合は、別のデータ構造(例えばリンクリストや動的配列など)を使用することが必要になります。

次に、C言語で配列の要素を逆順に出力する簡単なコードを紹介します。

これは、配列とループを組み合わせることでさまざまな操作が可能であることを表す一例です。

#include <stdio.h>

int main() {
    // 整数型の配列を定義し、初期化
    int numbers[5] = {10, 20, 30, 40, 50};

    // 配列の要素を逆順に出力
    for (int i = 4; i >= 0; i--) {
        printf("%d\n", numbers[i]);  // 配列の各要素を出力
    }

    return 0;
}

ここでは、forループのカウンタ変数iの初期値を4(配列の最後のインデックス)に設定し、iが0以上である限りループを続け、ループの各ステップでiを1ずつ減らしています。

そして、printf関数で各要素を出力しています。

このコードを実行すると、配列の要素が逆順に出力されます。

50
40
30
20
10

このように、配列とループを使うことで、データの一括処理や複雑なデータ操作を効率的に行うことができます。

しかし、配列の範囲外のインデックスにアクセスしようとするとエラーになるため、配列のサイズとインデックスの範囲を常に意識する必要があります。

○サンプルコード6:関数

次に、C言語の重要な概念である「関数」を取り上げます。

関数は、一連の処理をひとまとめにしたもので、特定の処理を何度も行う際に重宝します。

関数は一度定義してしまえば、何度でも呼び出して利用することが可能です。

基本的な関数の定義と呼び出し方のサンプルコードを紹介します。

#include<stdio.h>

// 関数の定義
void sayHello() {
    printf("Hello, World!\n");
}

int main() {
    // 関数の呼び出し
    sayHello();
    return 0;
}

このコードでは、まずsayHelloという名前の関数を定義しています。

関数の定義はvoid sayHello()という形で行います。voidは、この関数が返す値の型を表しており、voidは「何も返さない」という意味です。

その後の()内には、関数が受け取る引数を記述します。

今回の例では何も受け取らないので、空欄になっています。

その後の{}内には、関数が行う処理を記述します。

この例では、画面に”Hello, World!”と出力するprintf関数を呼び出しています。

main関数内で、先ほど定義したsayHello関数を呼び出しています。

関数の呼び出しは、関数名の後に()を付けて行います。

この結果として、プログラムを実行すると”Hello, World!”という文字列が出力されます。

このように、関数を利用することで、特定の処理を一箇所にまとめて記述し、何度でも利用できるようになります。

これにより、コードの再利用性と可読性が大幅に向上し、プログラミングが効率的に行えます。

注意点としては、関数は必ずどこかで定義されていなければならないという点です。

関数を呼び出す前にその関数が定義されていない場合、コンパイラはその関数を認識できず、エラーが発生します。

○サンプルコード7:ポインタ

ポインタは、C言語が他の多くの言語と大きく異なる点の一つです。

ポインタとは、メモリ上の特定の位置を指す変数のことを指します。

これにより、メモリの直接操作が可能となり、データの動的な生成や関数間でのデータのやり取りを効率的に行うことができます。

下記のサンプルコードでは、整数型の変数とそのポインタを定義し、ポインタを介して変数の値を操作する例を紹介します。

#include <stdio.h>

int main() {
    int number = 10;
    int *pNumber;

    pNumber = &number;

    printf("numberの値:%d\n", number);
    printf("numberのアドレス:%p\n", &number);
    printf("pNumberの値:%p\n", pNumber);
    printf("pNumberが指す値:%d\n", *pNumber);

    *pNumber = 20;

    printf("numberの値(変更後):%d\n", number);

    return 0;
}

このコードではまず、整数型の変数numberとそのポインタpNumberを定義しています。

そして、pNumber = &number;により、numberのアドレスをpNumberに格納します。

printf関数でそれぞれの値とアドレスを表示し、その後、*pNumber = 20;によりポインタを通じてnumberの値を変更します。

最後に、変更後のnumberの値を表示します。

このコードを実行すると、次のような出力結果が得られます。

numberの値:10
numberのアドレス:0x7ffeefbff5c8
pNumberの値:0x7ffeefbff5c8
pNumberが指す値:10
numberの値(変更後):20

この出力結果から、pNumberがnumberのアドレスを保持し、そのアドレスに対して値の変更を行うことで、間接的にnumberの値を変更できていることがわかります。

このように、ポインタを使うことでメモリの特定の位置に対して直接操作を行うことが可能となります。

しかし、ポインタを使用する際には注意が必要です。ポインタはメモリの直接操作を行うため、誤った使用方法をすると予期せぬ動作やプログラムのクラッシュを引き起こす可能性があります。

ポインタを使用する際には、常にその値が有効なメモリアドレスを指していることを確認し、必要な時には適切にメモリを解放することが重要です。

○サンプルコード8:構造体

C言語では、異なるデータ型の変数を1つのグループとして扱うための機能として「構造体」が存在します。

例えば、社員情報を管理する場合、社員の名前(文字列)、年齢(整数)、所属部署(文字列)など、複数の異なるデータ型の変数を1つにまとめて管理したい場合に構造体を用いることができます。

このコードでは、社員情報を管理するための構造体を定義し、それを用いて社員情報を表示するコードを紹介しています。

この例では、’struct’キーワードを用いて構造体を定義し、構造体の変数を作成した後、’.’演算子を用いて各フィールドに値を設定しています。

#include <stdio.h>

struct Employee {
    char name[50];
    int age;
    char department[50];
};

int main() {
    struct Employee employee;

    strcpy(employee.name, "山田太郎");
    employee.age = 30;
    strcpy(employee.department, "営業部");

    printf("名前:%s\n", employee.name);
    printf("年齢:%d\n", employee.age);
    printf("所属部署:%s\n", employee.department);

    return 0;
}

このコードを実行すると、次の結果が出力されます。

名前:山田太郎
年齢:30
所属部署:営業部

このように、構造体は複数の異なるデータ型の変数を1つのグループとして扱うことを可能にします。

これにより、関連性のあるデータをまとめて管理することが容易になり、コードの可読性や保守性が向上します。

次に、構造体に関連する注意点として、構造体のサイズについて説明します。

構造体のサイズは、その中に含まれる各フィールドのサイズの合計以上になります。

しかし、コンピュータのアーキテクチャによっては、メモリのアラインメント(メモリ上でのデータの配置)の関係で、構造体のサイズが各フィールドのサイズの合計よりも大きくなる場合があります。

次のコードを見てみましょう。

#include <stdio.h>

struct S {
    char c;
    int i;
};

int main() {
    printf("sizeof(struct S) = %zu\n", sizeof(struct S));
    return 0;
}

このコードでは、’char’型のフィールドと’int’型のフィールドを含む構造体’S’のサイズを出力しています。

‘char’型のサイズは1バイト、’int’型のサイズは4バイトなので、合計5バイトになるはずです。

しかし、実際にこのコードを実行すると、以下のような結果が出力されます。

sizeof(struct S) = 8

このように、構造体のサイズは、その中に含まれる各フィールドのサイズの合計以上になることを覚えておきましょう。

これは、メモリのアラインメントのためのパディング(余分なスペース)が追加されるためです。

これにより、構造体を効率良くメモリ上に配置し、データへのアクセスを高速化することが可能となります。

構造体の応用例としては、リストや木などの高度なデータ構造の実装に使用されます。

また、ネットワーク通信やファイル操作などで使用する複数のパラメータをまとめて扱うためにも使用されます。

○サンプルコード9:ファイル操作

さらに進むと、C言語では、ファイル操作も可能です。そ

れにより、データの永続化や、大量のデータの処理が容易になります。

C言語でのファイル操作は、次の手順で行われます。

  1. ファイルを開く
  2. ファイルを読み書きする
  3. ファイルを閉じる

これらの基本的な操作を通じて、さまざまなファイル操作が可能となります。

基本的なファイルの読み書きを行うサンプルコードを紹介します。

#include <stdio.h>

int main() {
    FILE *file;
    file = fopen("sample.txt", "w");
    if (file == NULL) {
        printf("ファイルを開けませんでした。\n");
        return 1;
    }
    fprintf(file, "Hello, File!\n");
    fclose(file);
    return 0;
}

このコードでは、まず FILE 型のポインタ file を定義しています。このポインタは、開いたファイルへの参照を保持します。次に fopen 関数を使って、指定した名前のファイルを開き、そのファイルへの参照を file ポインタに割り当てます。ここでは、書き込みモード "w" を指定しています。そのため、指定したファイルが既に存在する場合はその内容が削除され、新しく内容を書き込む準備が整います。

次に if 文を使って、ファイルが正常に開けたかどうかを確認します。fopen 関数は、ファイルが開けなかった場合に NULL を返すので、これを使ってエラーチェックを行います。

ファイルが正常に開けた場合は、fprintf 関数を使ってファイルに文字列を書き込みます。最後に fclose 関数を使って、ファイルを閉じます。これは重要なステップであり、この処理を忘れると、開いたファイルが閉じられずにリソースが無駄に消費される可能性があります。

上記のコードを実行すると、同じディレクトリに sample.txt というファイルが作成され、その中に “Hello, File!” という文字列が書き込まれます。ファイルが既に存在する場合は、その内容がこの文字列に置き換えられます。

次に、この sample.txt ファイルから文字列を読み込むサンプルコードを示します。

#include <stdio.h>

int main() {
    FILE *file;
    char buffer[256];

    file = fopen("sample.txt", "r");
    if (file == NULL) {
        printf("ファイルを開けませんでした。\n");
        return 1;
    }
    fgets(buffer, 256, file);
    printf("%s", buffer);
    fclose(file);
    return 0;
}

このコードでは、先ほどのコードと同様に、FILE 型のポインタ file を定義しています。

また、読み込んだ文字列を格納するための buffer という名前の文字列も定義しています。

次に fopen 関数を使って sample.txt ファイルを読み込みモード "r" で開きます。

そして、fgets 関数を使ってファイルから文字列を読み込み、それを buffer に格納します。

このとき、fgets 関数の第2引数には読み込む文字列の最大長を指定します。

最後に printf 関数を使って読み込んだ文字列を出力し、fclose 関数を使ってファイルを閉じます。

このコードを実行すると、先ほど作成した sample.txt ファイルから文字列を読み込み、その内容を出力します。

したがって、”Hello, File!” という文字列がコンソールに表示されます。

○サンプルコード10:エラー処理

ここで、C言語における基本的なエラー処理の方法を紹介します。

エラー処理は、プログラムが意図しない動作をしたときにそれを検出し、適切に対応するための重要なステップです。

下記のコードは、ファイルを開く操作を行い、その際のエラーを処理する例です。

#include <stdio.h>

int main() {
    FILE *fp;
    fp = fopen("nonexistent_file.txt", "r");

    if (fp == NULL) {
        perror("Error opening file");
        return(-1);
    }

    fclose(fp);
    return 0;
}

このコードでは、まず非存在のファイル”nonexistent_file.txt”を開こうとしています。

fopen関数は、ファイルを開く操作を行いますが、ファイルが存在しない場合にはNULLを返します。

したがって、fpがNULLであるかどうかをチェックすることで、ファイルが正常に開けたかどうかを判断できます。

fpがNULLの場合(つまり、ファイルを開くのに失敗した場合)には、perror関数を用いてエラーメッセージを表示し、プログラムを終了します。

このコードを実行すると、”Error opening file: No such file or directory”というエラーメッセージが表示されます。

これは、指定したファイルが存在しないことを示しています。

さて、次にエラー処理を応用したサンプルを見てみましょう。

例えば、メモリの割り当てに失敗したときにエラーを検出するコードは次のようになります。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

int main() {
    int *p = malloc(sizeof(int) * 1000000000);

    if (p == NULL) {
        fprintf(stderr, "Memory allocation failed\n");
        return -1;
    }

    free(p);
    return 0;
}

このコードでは、malloc関数を用いて大量のメモリを割り当てようとしています。

しかし、十分なメモリがない場合、malloc関数はNULLを返します。

したがって、pがNULLであるかどうかをチェックすることで、メモリの割り当てが正常に行われたかどうかを判断できます。

pがNULLの場合(つまり、メモリの割り当てに失敗した場合)には、fprintf関数を用いてエラーメッセージを表示し、プログラムを終了します。

このコードを実行すると、”Memory allocation failed”というエラーメッセージが表示されます。

これは、メモリの割り当てがうまく行かなかったことを示しています。

○サンプルコード11:メモリ管理

C言語ではメモリ管理を手動で行います。

これはプログラマが必要なメモリ領域を割り当て、使い終わったら解放するという操作を行うことを意味します。

これは一見面倒な作業かもしれませんが、ここには大きな自由度とパフォーマンスの向上が隠れています。

自分でメモリを管理することで、無駄なメモリ使用を減らし、プログラムの動作を高速化することができるのです。

では、具体的にどのようにメモリ管理を行うのでしょうか。

下記のサンプルコードでは、メモリ領域の割り当てと解放を行う方法を表しています。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

int main() {
    // malloc関数で10要素分のint型メモリ領域を確保
    int *arr = (int*) malloc(10 * sizeof(int));

    if (arr == NULL) {
        printf("メモリの確保に失敗しました。\n");
        return 1;  // エラー終了
    }

    // 確保したメモリ領域に値を代入
    for (int i = 0; i < 10; i++) {
        arr[i] = i;
    }

    // 値の出力
    for (int i = 0; i < 10; i++) {
        printf("%d ", arr[i]);
    }
    printf("\n");

    // メモリ領域の解放
    free(arr);

    return 0;
}

このコードでは、まずmalloc関数を使って、10要素分のint型メモリ領域を確保しています。

そしてその確保したメモリ領域に値を代入し、その値を出力しています。

最後に、確保したメモリ領域をfree関数で解放しています。

このコードを実行すると、0から9までの数が出力されることがわかります。

このように、C言語では必要なときにだけメモリを確保し、不要になったらすぐに解放することで、効率的にメモリを利用することが可能です。

ただし、確保したメモリの解放を忘れると、メモリリークと呼ばれる問題が発生します。

メモリリークはプログラムの動作が長時間にわたる場合などに深刻な影響を及ぼす可能性があるため、確保したメモリは必ず解放するようにしましょう。

○サンプルコード12:動的配列

C言語では、静的に配列を定義するだけでなく、動的にも配列を確保することが可能です。

これは、実行時まで配列の大きさが決まらない場合や、大きな配列を必要とする場合に非常に便利な特性です。

動的配列の基本的な使用方法を紹介します。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

int main() {
    int* dynamic_array = NULL;
    int size;

    printf("配列の要素数を入力してください: ");
    scanf("%d", &size);

    dynamic_array = (int*)malloc(sizeof(int) * size);

    if (dynamic_array == NULL) {
        printf("メモリの確保に失敗しました。\n");
        return 1;
    }

    for (int i = 0; i < size; i++) {
        dynamic_array[i] = i;
        printf("%d ", dynamic_array[i]);
    }

    free(dynamic_array);

    return 0;
}

このコードでは、まず最初にNULLで初期化されたint型のポインタdynamic_arrayを宣言しています。

次に、ユーザーに配列のサイズを入力してもらい、そのサイズ分だけメモリを動的に確保しています。

malloc関数は指定されたバイト数分のメモリを確保し、その先頭アドレスを返します。

したがって、この戻り値をdynamic_arrayに代入することで動的配列を作成しています。

確保したメモリ領域は、配列と同じように添字を使ってアクセスすることができます。

ここでは、各要素にそのインデックス値を代入し、結果を出力しています。

最後に、動的に確保したメモリ領域は必ずfree関数を用いて解放します。

これを行わないと、プログラムが終了した後もメモリ上にデータが残り続け、メモリリークという状況を引き起こす可能性があります。

このコードを実行すると、入力した数値の数だけ連続した数が出力されます。

たとえば、5と入力すると「0 1 2 3 4」と出力されます。

このように、C言語では動的にメモリを確保して配列を作成することが可能です。

しかし、動的配列は静的配列とは異なり、メモリを直接管理するため、使い方を誤るとプログラムが予期しない動作をする可能性があります。

例えば、確保したメモリ領域を解放せずに再度確保すると、前に確保したメモリ領域へのアクセスができなくなり、メモリリークを引き起こします。

また、確保した領域の範囲を超えてアクセスすると、他のデータを上書きしてしまう可能性があります。

これらのエラーは実行時エラーとして現れ、予防するには自分自身でメモリ管理をしっかりと行う必要があります。

○サンプルコード13:文字列操作

さて、次は文字列操作についてのサンプルコードを見てみましょう。

文字列はコンピュータプログラムにおいて非常に重要な要素であり、特にユーザーとのインタラクション、データの解析や加工などで頻繁に使われます。

C言語では、文字列を扱うための関数が標準ライブラリに多数用意されています。

ここではその一部を紹介します。

このコードでは、文字列のコピー、連結、長さの取得といった基本的な操作を行っています。

また、文字列の比較や検索も行っています。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

int main() {
    char str1[20] = "Hello";
    char str2[20] = "World";
    char str3[40];

    // 文字列のコピー
    strcpy(str3, str1);
    printf("str3: %s\n", str3);

    // 文字列の連結
    strcat(str3, str2);
    printf("str3: %s\n", str3);

    // 文字列の長さ
    printf("length of str3: %lu\n", strlen(str3));

    // 文字列の比較
    printf("strcmp: %d\n", strcmp(str1, str2));

    // 文字列の検索
    printf("strstr: %s\n", strstr(str3, str2));

    return 0;
}

このコードを実行すると、最初にstr1の内容(”Hello”)がstr3にコピーされ、その結果が出力されます。

次にstr2の内容(”World”)がstr3の末尾に追加され、その結果が出力されます。

その後、str3の文字列の長さ(”HelloWorld”の長さ)が出力されます。

さらに、strcmp関数でstr1とstr2を比較し、その結果が出力されます。

strcmp関数は二つの文字列が等しい場合は0を、一つ目の文字列が二つ目の文字列より小さい(辞書順で前にくる)場合は負の値を、大きい(辞書順で後ろにくる)場合は正の値を返します。

最後に、strstr関数でstr3からstr2(”World”)を検索し、その結果が出力されます。

strstr関数は第一引数の文字列から第二引数の文字列を検索し、見つかった場合はその開始位置のポインタを、見つからない場合はNULLを返します。

この例では、”HelloWorld”から”World”を検索するので、”World”の開始位置(つまり、”World”自体)が出力されます。

このサンプルコードは基本的な文字列操作を紹介しましたが、他にも多数の文字列操作関数があります。

必要に応じて適切な関数を使用して、効率的に文字列を操作しましょう。

文字列はポインタと密接に関連しているため、ポインタの理解も深めておくと、より高度な文字列操作が可能になります。

○サンプルコード14:日付と時間

このサンプルコードでは、C言語で日付や時間を取得し表示する方法を紹介します。

具体的には、「time.h」ヘッダーファイルを用いて現在の日付と時間を取得し、それを文字列形式に変換するプロセスを確認してみます。

#include <time.h>
#include <stdio.h>

int main() {
    time_t current_time;
    char* c_time_string;

    // 現在の日付と時間を取得
    current_time = time(NULL);

    // 時間を文字列形式に変換
    c_time_string = ctime(&current_time);

    // 結果を表示
    printf("現在の日付と時間は %s です\n", c_time_string);

    return 0;
}

上記のコードではまず、time関数を用いて現在の日付と時間を取得しています。

次に、ctime関数を用いて取得した時間を文字列形式に変換します。

最後にprintf関数を使い、結果を出力しています。

このコードを実行すると、次のような結果が得られます。

現在の日付と時間は Sun Jul 23 2023 14:30:00 JST です

この結果からわかる通り、日付と時間を取得し、それを文字列形式に変換して出力することができています。

○サンプルコード15:マルチスレッド

このサンプルコードでは、C言語でマルチスレッドを利用する方法を紹介します。

具体的には、pthreadライブラリを用いてスレッドを生成し、それを実行する手順を確認します。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <pthread.h>

// スレッドで実行される関数
void *thread_function(void *arg) {
    int i;
    for (i = 0; i < 5; ++i) {
        printf("スレッドの実行:%d\n", i);
    }
    return NULL;
}

int main() {
    pthread_t thread_id;

    // スレッドを生成し、実行する
    if (pthread_create(&thread_id, NULL, thread_function, NULL) != 0) {
        fprintf(stderr, "pthread_create failed\n");
        return EXIT_FAILURE;
    }

    // スレッドの終了を待つ
    if (pthread_join(thread_id, NULL) != 0) {
        fprintf(stderr, "pthread_join failed\n");
        return EXIT_FAILURE;
    }

    return EXIT_SUCCESS;
}

上記のコードではまず、pthread_create関数を用いて新しいスレッドを生成し、そのスレッドでthread_functionを実行します。

pthread_create関数の第二引数はスレッド属性を指定するためのもので、ここではデフォルト属性を用いるためNULLを指定しています。

次に、pthread_join関数を使い、スレッドの終了を待ちます。

このコードを実行すると、次のような結果が得られます。

スレッドの実行:0
スレッドの実行:1
スレッドの実行:2
スレッドの実行:3
スレッドの実行:4

この結果からわかる通り、新しいスレッドが生成され、そのスレッドで指定した関数が実行されています。

●C言語の手続き型プログラミングの注意点と対処法

C言語で手続き型プログラミングを行う際には、いくつかの注意点があります。

それらを理解し、適切な対処法を用いることで、より効率的に安全なコードを書くことができます。

一つ目の注意点は、ポインタとメモリ管理です。

C言語では、ポインタを通じて直接メモリを操作することができますが、これが原因で発生するメモリリークやセグメンテーション違反などの問題は、プログラムの信頼性や安全性を損ないます。

これを避けるためには、mallocやfreeなどの関数を用いて、メモリの確保と解放をきちんと行うことが重要です。

二つ目の注意点は、マルチスレッドプログラミング時のデッドロックやレースコンディションです。

これらの問題は、スレッド間の同期を適切に行わないことで発生します。

pthreadライブラリのmutexやconditionなどの機能を利用して、スレッド間の同期を取ることで、これらの問題を防ぐことができます。

これらの注意点を理解し、対処法を用いることで、C言語の手続き型プログラミングをより効果的に利用することができます。

●C言語の手続き型プログラミングのカスタマイズ方法

C言語の手続き型プログラミングは、その基本的な特性を理解し活用することで、さまざまなカスタマイズが可能です。

例えば、関数のパラメータとして関数ポインタを渡すことで、関数の挙動を動的に変更することが可能です。

また、構造体とポインタを用いることで、C言語におけるオブジェクト指向プログラミングの一部を実現することもできます。

それぞれのプログラミング要件に応じて、これらの手法を組み合わせて用いることで、より柔軟で効率的なプログラムを作成することができます。

まとめ

以上、C言語の手続き型プログラミングの基本的な概念から、具体的なサンプルコード、その注意点と対処法、カスタマイズ方法までを解説してきました。

これらの知識を活用することで、あなたも効率的で堅牢なC言語のコードを書くことができるようになるでしょう。

プログラミングは、学ぶほどにその奥深さがわかり、その醍醐味を感じることができます。

これからも、学びを深めていきましょう。