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C言語で学ぶ!カスタムユーザー関数の15の作成方法

C言語でユーザー関数を作成する手順を説明する図 C言語
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

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はじめに

C言語のユーザー関数の作成方法を徹底解説します。

関数とは、プログラム内で特定の処理を行うためのコードの塊のことを指します。

関数を利用することで、プログラムの可読性や再利用性を向上させることができます。

今回は初心者向けに、ユーザー関数の作成方法、その具体的な使い方、注意点、カスタマイズ方法について詳しく解説します。

●C言語とユーザー関数

C言語は、1972年にベル研究所のデニス・リッチーによって開発されたプログラミング言語です。

その高い処理速度や直接的なメモリアクセスが可能なため、システムやネットワークなど、ハードウェアに近い部分のプログラム開発に利用されます。

○ユーザー関数の基本

ユーザー関数とは、プログラマーがプログラム内で自由に作成できる関数のことを指します。

ユーザー関数を作成することで、同じ処理を繰り返す際にコードを書き換える必要がなくなり、開発の効率化やバグの削減に寄与します。

●ユーザー関数の作り方

C言語でのユーザー関数の作り方は、まず関数名と関数が必要とするデータ(引数)、関数が処理結果を返す場合のデータ型(戻り値)を定義します。

次に、波括弧「{」と「}」で囲まれた領域に関数の処理内容を記述します。

○サンプルコード1:基本的な関数

このコードでは、”Hello, World!”という文字列を表示する単純な関数を作成しています。

関数名は”hello”で、戻り値や引数はありません。

#include <stdio.h>

void hello() {
    printf("Hello, World!\n");
}

int main() {
    hello();
    return 0;
}

このコードを実行すると、”Hello, World!”という文字列がコンソールに表示されます。

関数helloはmain関数から呼び出されて実行されます。

○サンプルコード2:引数を取る関数

このコードでは、2つの整数を引数として受け取り、その和を表示する関数を作成しています。

関数名は”printSum”で、引数は二つの整数”x”と”y”です。

#include <stdio.h>

void printSum(int x, int y) {
    int sum = x + y;
    printf("%d + %d = %d\n", x, y, sum);
}

int main() {
    printSum(5, 3);
    return 0;
}

このコードを実行すると、”5 + 3 = 8″という文字列がコンソールに表示されます。

関数printSumはmain関数から引数として5と3を受け取り、その和を表示します。

○サンプルコード3:複数の引数を取る関数

このコードでは、3つの整数を引数として受け取り、その合計を表示する関数を作成しています。

関数名は”printTotal”で、引数は三つの整数”x”、”y”、”z”です。

#include <stdio.h>

void printTotal(int x, int y, int z) {
    int total = x + y + z;
    printf("%d + %d + %d = %d\n", x, y, z, total);
}

int main() {
    printTotal(5, 3, 2);
    return 0;
}

このコードを実行すると、”5 + 3 + 2 = 10″という文字列がコンソールに表示されます。

関数printTotalはmain関数から引数として5、3、2を受け取り、その合計を表示します。

○サンプルコード4:戻り値を返す関数

このコードでは、2つの整数を引数として受け取り、その積を戻り値として返す関数を作成しています。

関数名は”multiply”で、引数は二つの整数”x”と”y”、戻り値は二つの整数の積です。

#include <stdio.h>

int multiply(int x, int y) {
    return x * y;
}

int main() {
    int result = multiply(5, 3);
    printf("%d\n", result);
    return 0;
}

このコードを実行すると、”15″という数字がコンソールに表示されます。

関数multiplyはmain関数から引数として5と3を受け取り、その積を戻り値として返します。

その戻り値がmain関数内のresultという変数に格納され、表示されます。

●ユーザー関数の詳細な使い方

これまでに、ユーザー関数の基本と作り方を見てきました。

ここからは、C言語のユーザー関数のさらに深い使い方について解説します。

それぞれのテーマに合わせて、適切なサンプルコードと共に、より詳細な説明をしていきます。

○サンプルコード5:関数内での変数の扱い

関数内で変数を扱う方法について紹介します。

ここでいう変数とは、関数内のローカル変数と、関数の外部で定義されたグローバル変数の両方を指します。

このサンプルコードでは、関数内でローカル変数を定義し、その後にグローバル変数の値を変更してみます。

#include <stdio.h>

int global_var = 10;  // グローバル変数

void change_var() {
    int local_var = 20;  // ローカル変数
    printf("local_var: %d\n", local_var);  // ローカル変数の値を表示
    global_var = 30;  // グローバル変数の値を変更
}

int main() {
    change_var();
    printf("global_var: %d\n", global_var);  // グローバル変数の値を表示
    return 0;
}

このコードを実行すると、まずchange_var関数内でローカル変数local_varが定義され、その値が表示されます。

次に、グローバル変数global_varの値がchange_var関数内で変更され、その変更後の値がmain関数内で表示されます。

○サンプルコード6:再帰関数の作り方

再帰関数とは、自身を呼び出す関数のことを指します。

再帰的なアルゴリズムを実装する際に使用します。

このサンプルコードでは、階乗を計算する再帰関数を作成します。

#include <stdio.h>

int factorial(int n) {
    if (n == 0) {
        return 1;  // ベースケース
    } else {
        return n * factorial(n - 1);  // 再帰ステップ
    }
}

int main() {
    int result = factorial(5);  // 5の階乗を計算
    printf("5 factorial: %d\n", result);  // 計算結果を表示
    return 0;
}

このコードでは、factorial関数内で自身(factorial関数)を呼び出すことによって、階乗を計算しています。

再帰関数を作る際は、ベースケース(終了条件)と再帰ステップ(再帰的に処理を行う部分)を必ず定義する必要があります。

○サンプルコード7:関数から別の関数を呼び出す

一つの関数から別の関数を呼び出すことも可能です。

このサンプルコードでは、main関数からadd関数とsubtract関数を呼び出し、それぞれの結果を表示します。

#include <stdio.h>

int add(int a, int b) {
    return a + b;
}

int subtract(int a, int b) {
    return a - b;
}

int main() {
    int result_add = add(5, 3);
    printf("5 + 3: %d\n", result_add);
    int result_subtract = subtract(5, 3);
    printf("5 - 3: %d\n", result_subtract);
    return 0;
}

このコードでは、main関数内でadd関数とsubtract関数が呼び出され、それぞれの結果が表示されます。

このように、関数は一つのタスクを達成するための小さなモジュールとして利用でき、他の関数から呼び出すことでより大きなタスクを構築することができます。

●ユーザー関数の応用例

今までユーザー関数の基本的な使い方を紹介しきましたが、それだけで終わりではありません。

ユーザー関数はその基本形から応用的な使い方まで、非常に幅広い用途で活躍します。

ここからは、そのような応用例を幾つか紹介していきましょう。

○サンプルコード8:配列を操作する関数

配列はプログラミングで頻繁に使用するデータ構造の一つで、複数の値をまとめて扱うことができます。

C言語では、配列を引数として関数に渡すことが可能です。

配列の全要素を合計する関数を作成する例を紹介します。

#include<stdio.h>

void arraySum(int arr[], int n) {
    int sum = 0;
    for(int i=0; i<n; i++) {
        sum += arr[i];  // 配列の要素を合計
    }
    printf("合計: %d\n", sum);
}

int main() {
    int array[] = {1, 2, 3, 4, 5};
    arraySum(array, 5);  // 配列を関数に渡す
    return 0;
}

このコードでは、配列を操作するユーザー関数 arraySum を作成しています。

この関数では、配列とその長さを引数として受け取り、全ての要素を足し合わせた結果を表示します。

そして main 関数からこの arraySum 関数を呼び出す際に、配列 array を引数として渡しています。

このコードを実行すると、配列の全要素(1, 2, 3, 4, 5)の合計である15が表示されます。

○サンプルコード9:構造体を操作する関数

次に、構造体を操作する関数について見ていきましょう。

構造体は複数の異なる型のデータを一つのグループとして扱うためのものです。

下記のコードは、構造体の要素を操作する関数の作成例です。

#include<stdio.h>

// 構造体の定義
typedef struct {
    char name[50];
    int age;
} Person;

// 構造体を操作する関数
void printPerson(Person p) {
    printf("名前: %s, 年齢: %d\n", p.name, p.age);
}

int main() {
    Person person = {"山田太郎", 25};
    printPerson(person);  // 構造体を関数に渡す
    return 0;
}

このコードでは、Personという名前の構造体を定義し、その中にnameageという要素を持たせています。

そして、printPersonという関数でこの構造体の要素を表示します。

main関数からprintPerson関数を呼び出す際には、Person型のpersonを引数として渡します。

このコードを実行すると、Person型のpersonの名前と年齢が表示されます。

○サンプルコード10:ポインタを使用する関数

ポインタもC言語では重要な要素の一つです。

ポインタを使用することで、変数のメモリ上のアドレスを直接操作することができます。

ここでは、ポインタを使用して関数内で変数の値を直接変更する例を示します。

#include<stdio.h>

// ポインタを引数に取る関数
void addTen(int *p) {
    *p += 10;  // ポインタが指す値に10を足す
}

int main() {
    int num = 5;
    addTen(&num);  // 変数のアドレスを関数に渡す
    printf("num: %d\n", num);
    return 0;
}

このコードでは、addTenという関数内でポインタを引数に取り、ポインタが指す値(numの値)に10を足しています。

main関数からaddTen関数を呼び出す際に、&numとして変数numのアドレスを引数として渡します。

このコードを実行すると、numの値が15になっていることが確認できます。

これは、addTen関数内でポインタを通じてnumの値が直接変更された結果です。

○サンプルコード11:可変長引数を取る関数

ここでは、C言語で可変長引数を取る関数を作成する方法を解説します。

このような関数は、引数の数が固定されていない場合に非常に便利です。

例えば、異なる数の数値を加算したり、異なる数の文字列を連結したりする場合などに使用できます。

そのため、関数の柔軟性を高め、コードの再利用性を向上させるための重要なテクニックとなります。

下記のコードは、可変長引数を取る関数の一例です。

この関数は、任意の数の整数を引数として受け取り、それらの総和を計算します。

#include <stdio.h>
#include <stdarg.h>

// 可変長引数を取る関数
int sum(int count, ...) {
    va_list args;
    va_start(args, count);
    int total = 0;
    // 引数の総和を計算
    for(int i = 0; i < count; i++) {
        total += va_arg(args, int);
    }
    va_end(args);
    return total;
}

int main(void) {
    printf("%d\n", sum(3, 1, 2, 3));  // 6を出力
    printf("%d\n", sum(5, 1, 2, 3, 4, 5));  // 15を出力
    return 0;
}

このコードでは、まず#include で、可変長引数を使用するためのヘッダーファイルをインクルードしています。

次に、sumという関数を定義しています。

この関数は最初の引数として整数countを取り、その後に可変長引数が続きます。

関数の中でva_listという型の変数argsを宣言し、va_start関数で初期化しています。

このとき、va_startの第二引数は可変長引数の直前の引数を指定します。

そしてforループを使用して、引数の総和を計算します。

va_arg関数は引数リストから次の引数を取り出し、指定した型にキャストします。

最後にva_end関数を使用して、引数リストをクリーンアップします。

main関数では、sum関数を呼び出し、その結果をprintf関数で出力しています。

引数の数が異なる二つの呼び出しを行っており、これらがどちらも正常に動作することから、sum関数が可変長引数を正確に扱っていることがわかります。

次にこのコードを実行すると、

6
15

と出力されます。

これは、それぞれ1 + 2 + 3 = 6と1 + 2 + 3 + 4 + 5 = 15を計算した結果です。

○サンプルコード12:関数ポインタの使用例

関数ポインタとは、その名前の通り、関数へのポインタです。

関数ポインタを理解し、適切に使用することで、C言語のユーザー関数の作成はより高度なものになります。

#include <stdio.h>

void hello() {
  printf("Hello!\n");
}

void world() {
  printf("World!\n");
}

void execute(void (*ptr)()) {
  ptr();
}

int main() {
  void (*ptr)() = hello;
  execute(ptr); // 関数helloが実行される
  ptr = world;
  execute(ptr); // 関数worldが実行される

  return 0;
}

このコードでは関数ポインタを使って関数helloと関数worldを動的に実行しています。

この例では、まず関数helloとworldを定義し、それぞれ異なるメッセージを出力します。

次に、executeという関数を定義しますが、この関数は引数として関数ポインタを受け取り、その関数ポインタが指す関数を実行します。

最後にmain関数内で関数helloとworldを関数ポインタを通じてexecute関数に渡し、順番に実行します。

これにより、関数の呼び出しを動的に制御することが可能になります。

このコードを実行すると、”Hello!”と”World!”というメッセージが順番に出力されます。

それぞれのメッセージは関数helloとworldが実行された結果です。

関数ポインタを使用することで、プログラムの実行フローを柔軟にコントロールすることが可能になります。

関数の参照を保存しておき、後からその関数を呼び出す、といった操作が可能になります。

これは、特定の条件下で異なる関数を実行する必要がある場合などに非常に便利です。

ただし、関数ポインタを使用する際は注意が必要です。

関数ポインタは適切に初期化され、正しい関数を指していなければなりません。

間違った関数ポインタを実行しようとすると、予期しない結果やエラーが発生する可能性があります。

関数ポインタの初期化や関数の呼び出しを行う際には、常にその正確性を確認するようにしましょう。

○サンプルコード13:ライブラリ作成の基本

C言語のプログラミングでは、頻繁に使われる関数を集めてライブラリを作成することがあります。

そのための基本となるコードを紹介します。

// mylib.h
#ifndef MYLIB_H
#define MYLIB_H

void print_hello();

#endif
// mylib.c
#include <stdio.h>
#include "mylib.h"

void print_hello() {
    printf("Hello, World!\n");
}

このコードではmylib.hmylib.cという2つのファイルを作成しています。

この例ではprint_helloという関数を実装しています。この関数は文字列”Hello, World!”を出力します。

このように、頻繁に使用する関数をヘッダファイルとして提供し、実装を別の.cファイルに分けることで、関数の再利用性を高め、コードの見通しを良くします。

では、次にこのライブラリを使用するサンプルコードを見てみましょう。

// main.c
#include "mylib.h"

int main() {
    print_hello();
    return 0;
}

main.cの中で先ほど定義したmylib.hをインクルードし、print_hello関数を使用しています。

実行すると、”Hello, World!”と表示されます。

こうした方法で作成したライブラリは、大規模なプログラムを作成する際や複数のプログラムで同じ関数を共有する際などに有効です。

自分だけでなく他の人も使いやすいライブラリを作成するためには、関数名や引数、戻り値などがわかりやすく、そして何をする関数なのかが理解しやすいようなドキュメンテーションが必要です。

また、エラーハンドリングを適切に行うことも重要です。

○サンプルコード14:自己参照構造体と関数

次に、自己参照構造体を用いた関数の作り方について見てみましょう。

自己参照構造体とは、その構造体内に自分自身の型のポインタを含む構造体のことを指します。

一般的にはリストや木などのデータ構造を表現するために使用されます。

自己参照構造体を用いて単方向リストを実装したサンプルコードを紹介します。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

typedef struct Node {
    int data;
    struct Node *next;
} Node;

Node* create_node(int data) {
    Node *new_node = (Node*)malloc(sizeof(Node));
    if (new_node == NULL) {
        printf("Memory allocation failed.\n");
        exit(1);
    }
    new_node->data = data;
    new_node->next = NULL;
    return new_node;
}

void print_list(Node *head) {
    Node *temp = head;
    while (temp != NULL) {
        printf("%d ", temp->data);
        temp = temp->next;
    }
    printf("\n");
}

int main() {
    Node *node1 = create_node(10);
    Node *node2 = create_node(20);
    Node *node3 = create_node(30);

    node1->next = node2;
    node2->next = node3;

    print_list(node1);

    free(node1);
    free(node2);
    free(node3);

    return 0;
}

このコードでは、Nodeという自己参照構造体を定義し、それを用いてリストのノードを作成するcreate_node関数と、リストの内容を表示するprint_list関数を作成しています。

main関数では、これらの関数を使用してリストを作成し、表示しています。

実行すると、”10 20 30″と表示されます。

自己参照構造体を使うことで、動的なデータ構造を表現することが可能になります。

ただし、このような構造を用いる際にはメモリ管理に注意が必要です。

malloc関数で確保したメモリは、使用後にfree関数で解放する必要があります。

これを怠るとメモリリークと呼ばれる問題が発生します。

また、解放したメモリ領域を参照しようとすると、エラーが発生する可能性がありますので注意が必要です。

○サンプルコード15:関数を使った計算式の評価

C言語には、計算式を評価するための専用の関数はありません。

しかし、ユーザー定義関数を駆使することで、この問題を解決することができます。

#include <stdio.h>

// 足し算を行う関数
int add(int a, int b) {
    return a + b;
}

// 引き算を行う関数
int subtract(int a, int b) {
    return a - b;
}

// 引数に与えられた関数を用いて二つの数値の計算を行う関数
int calculate(int (*func)(int, int), int a, int b) {
    return func(a, b);
}

int main() {
    int a = 5, b = 3;
    printf("足し算の結果: %d\n", calculate(add, a, b)); // 足し算の結果: 8
    printf("引き算の結果: %d\n", calculate(subtract, a, b)); // 引き算の結果: 2
    return 0;
}

このコードでは、足し算と引き算を行うための関数を作成し、それらを引数として取る別の関数を作成しています。

そして、その関数を用いて実際の計算を行っています。

このような方法を取ることで、計算式の評価を行うことができます。

これは、C言語が関数ポインタという機能を持っているからこそ可能なテクニックです。

また、実際に計算を行う関数では、引数に与えられた関数を用いて計算を行うため、それぞれの計算結果を得ることができます。

これは、関数ポインタを引数として取る関数を使用することで、動的に関数の動作を変えることができるという特性を生かしています。

これにより、計算式の評価を行う関数を作成することが可能となり、さまざまな計算式の評価を柔軟に行うことができます。

ただし、これはあくまで一例であり、他にも様々な方法で計算式の評価を行う関数を作成することが可能です。

それでは、次にこのテクニックの注意点について考察してみましょう。

●注意点と対処法

関数ポインタを用いて計算式の評価を行う際には、いくつか注意が必要です。

特に重要なのは、関数ポインタの型が一致していることです。

関数ポインタの型は、関数の引数と戻り値の型によって決まります。

つまり、関数ポインタに関数を代入する際には、関数の引数と戻り値の型が一致している必要があります。

また、関数ポインタを引数に取る関数を使用する際には、関数名のみを渡すことに注意が必要です。

関数名に()をつけると関数の呼び出しとなってしまうため、関数ポインタに関数を代入する際には、関数名のみを使用します。

さらに、関数ポインタを使用する際には、関数ポインタを初期化しておくことも重要です。

関数ポインタが指す関数が不定な状態であると、予期せぬ動作を引き起こす可能性があります。

したがって、関数ポインタを宣言した直後に適切な関数を代入しておくことが望ましいです。

以上が、関数を使った計算式の評価に関する基本的な解説となります。

C言語では、関数ポインタを駆使することで、計算式の評価という複雑な問題を解決することが可能となります。

また、このテクニックは、関数の動作を動的に変えるという点でも非常に強力です。

関数ポインタの活用によって、より柔軟なプログラミングが可能となります。

●カスタマイズ方法

C言語の関数を作成する際には、自分自身のニーズに合わせてカスタマイズを行うことが可能です。

ここでは、関数のカスタマイズの基本的な手順と一部のカスタマイズ例を表します。

まず、基本的なカスタマイズとしては、関数の引数や戻り値を自由に設定できます。

これにより、関数が行うタスクや関数から返される結果を自分のプログラムに最適な形に調整することができます。

例えば、計算結果を整数型ではなく浮動小数点型で返すようにする、あるいは、複数の結果を配列や構造体として返すようにするなどが可能です。

○サンプルコード16:浮動小数点型を返す関数

#include <stdio.h>

// 浮動小数点型を返す関数の定義
double average(int a, int b) {
    return (double)(a + b) / 2;
}

int main() {
    int num1 = 10, num2 = 15;
    double avg = average(num1, num2);
    printf("平均は%fです。\n", avg);
    return 0;
}

このサンプルコードでは、「average」という関数を使って2つの整数の平均を計算し、その結果を浮動小数点型で返しています。

この例では、引数を2つ取り、その平均を浮動小数点型で返す関数を作成しています。

このコードを実行すると、「平均は12.500000です。」と表示されます。

また、関数内で使用する変数の名前や、関数の名前自体も自由に変更できます。

これにより、プログラムの読みやすさや保守性を高めることができます。

○サンプルコード17:関数名と変数名を自由に変更した例

#include <stdio.h>

// 関数名と変数名を自由に変更した例
int multiplyByTwo(int inputValue) {
    int outputValue = inputValue * 2;
    return outputValue;
}

int main() {
    int original = 5;
    int result = multiplyByTwo(original);
    printf("%dの2倍は%dです。\n", original, result);
    return 0;
}

このサンプルコードでは、「multiplyByTwo」という関数を使って整数を2倍にしています。

この例では、元の値と2倍にした結果を表示するコードを作成しています。

このコードを実行すると、「5の2倍は10です。」と表示されます。

ここで示したカスタマイズの方法は一例です。

プログラムの要件や目的に応じて、様々なカスタマイズが可能です。

関数の作成や利用に慣れることで、より自由度の高いプログラミングが可能になるでしょう。

まとめ

C言語におけるユーザー関数の作成方法について、基本的な作り方から応用例、注意点、カスタマイズ方法までを詳しく解説しました。

関数はプログラムを簡潔で可読性の高いものにし、またコードの再利用を可能にする重要な概念です。

本記事で学んだ知識を活かして、自分だけの関数を作成し、プログラムに応用してみてください。

初心者の方でも理解しやすいように手順を追って説明しましたので、自信を持って関数の作成に挑戦してみてください。

これらの知識はC言語だけでなく、他の多くのプログラミング言語でも役立つはずです。

C言語における関数の学習は、プログラミングスキルの向上に繋がる重要な一歩です。

これからも、一つひとつの概念を理解し、実践的なスキルを身につけていきましょう。