TypeScriptで未入力チェックする手法10選 – JPSM

TypeScriptで未入力チェックする手法10選

TypeScriptの未入力チェックイラストTypeScript

 

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基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

近年、フロントエンドやバックエンドの開発において、TypeScriptの人気が高まってきています。

TypeScriptはJavaScriptに静的型付けの機能を追加した言語で、コードの品質向上や開発の効率化に大きく寄与しています。

今回の記事では、TypeScriptでの「未入力チェック」に特化して、その手法を10通りご紹介いたします。

未入力チェックは、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションのバリデーション処理において非常に重要な役割を果たしており、しっかりと実装することでユーザーの体験を向上させることができます。

TypeScriptを使えば、より安全かつ簡単に未入力チェックを行うことが可能です。

初心者の方でも簡単に実装できる方法から、より高度な方法まで、ステップバイステップで徹底解説してまいります。

また、実用的なサンプルコードを交えて説明し、そのコードの実行結果も含めて解説しますので、ぜひ最後までお読みいただき、TypeScriptでの未入力チェックの手法をマスターしてください。

それでは、まずTypeScriptとその基本概念について簡単に触れて、未入力チェックの重要性や実際の手法について深堀していきましょう。

●TypeScriptとは?

TypeScriptは、Microsoftが開発したJavaScriptのスーパーセット言語です。

TypeScriptの最大の特徴は、静的型付けを導入することにより、コードの品質向上やバグの早期発見を助けることが可能になる点です。

JavaScriptは動的型付け言語のため、開発時には型のエラーを捉えにくいという課題がありました。

しかし、TypeScriptを使用することで、コンパイル時に型の不一致や未定義の変数などの多くのエラーを事前に検出することができます。

TypeScriptの別の強力な特徴は、ES6以上の最新のJavaScriptの機能を利用しながら、古いブラウザでも動作するES5のJavaScriptコードにトランスパイル(変換)する能力です。

これにより、最新のJavaScriptの機能を安全に使用しながら、広い範囲のユーザーにアクセス可能なウェブアプリケーションの開発が可能になります。

○TypeScriptの基本概念

TypeScriptを理解するためのいくつかの基本的な概念を紹介します。

❶静的型付け

TypeScriptの最も顕著な特徴は、変数や関数の引数、返り値に型を指定することができる静的型付けです。

これにより、コードの読みやすさが向上し、型に関連するエラーの早期発見が可能となります。

このコードでは、数値を受け取る関数を表しています。

この例では、数値を受け取り、それを2倍にして返す関数を定義しています。

   function doubleValue(value: number): number {
       return value * 2;
   }

この関数に文字列を渡すと、コンパイル時にエラーが発生します。

これにより、間違った型のデータが関数に渡されることを防ぐことができます。

❷インターフェース

TypeScriptでは、特定の形状のオブジェクトを定義するためのインターフェースが提供されています。

インターフェースを使用することで、オブジェクトの構造を一貫して保つことができます。

このコードでは、名前と年齢を持つPersonというインターフェースを表しています。

この例では、Personインターフェースに基づいてオブジェクトを作成する方法を表しています。

   interface Person {
       name: string;
       age: number;
   }

   const person1: Person = {
       name: 'Taro',
       age: 25
   };

上記のように、TypeScriptはオブジェクトの形状を明確にすることで、安全かつ効果的にコードを書くことをサポートしています。

●未入力チェックの重要性

Webアプリケーションやモバイルアプリケーションを開発する際、ユーザーからの入力情報は非常に重要です。

しかし、ユーザーからの入力が常に正確であるとは限りません。

時には、必要な情報が未入力のまま送信されることがあります。

このような状況を適切にハンドリングしないと、不具合やエラーが生じるリスクが増加します。

○なぜ未入力チェックは必要なのか?

アプリケーションの動作やデータの処理には、特定の情報が必須となる場面が数多く存在します。

たとえば、ユーザー登録の際にメールアドレスやパスワードが必要な場合、これらの情報が未入力のままであれば、正常にユーザー登録を完了させることができません。

また、未入力のデータをそのままデータベースに保存しようとすると、データの整合性が崩れるリスクがあります。

このように、未入力の情報を適切に処理しないことは、アプリケーションの品質低下やユーザーエクスペリエンスの悪化に繋がります。

○未入力のリスクとは?

未入力データの取り扱いには多くのリスクが伴います。

主なリスクとして次のようなものが考えられます。

  1. データの不整合:例として、必須項目が未入力のままデータベースに保存されることで、後の処理でエラーが発生する可能性があります。
  2. エラーの発生:未入力のデータを処理するロジックが存在しない場合、エラーが発生しアプリケーションが停止するリスクがあります。
  3. セキュリティの問題:適切なバリデーションや未入力チェックが行われていない場合、悪意のある第三者が不正なデータを送信することで、セキュリティ上の脆弱性を突かれるリスクが考えられます。

このようなリスクを避けるためにも、未入力チェックは非常に重要です。

●未入力チェックの方法10選

TypeScriptでの未入力チェックの手法をいくつか紹介していきます。

初心者の方でも簡単に実装できるように、サンプルコードとともに説明していきます。

○サンプルコード1:基本的な未入力チェック

このコードでは基本的な未入力チェックの方法を表しています。

この例では変数がundefinedまたは空文字列であるかどうかをチェックしています。

function checkInput(input: string | undefined): void {
    if (!input) {
        console.log("未入力です。");
    } else {
        console.log("入力された内容:", input);
    }
}

const userInput = "TypeScript"; // この値を変えて実験してみてください。
checkInput(userInput);

上記のコードを実行すると、userInputが未入力の場合に「未入力です。」というメッセージが出力され、入力がある場合には「入力された内容: [入力内容]」というメッセージが出力されます。

この方法は最もシンプルであり、多くの場面で使われる基本的な手法です。

○サンプルコード2:カスタムバリデータを使ったチェック

TypeScriptを使用したアプリケーション開発では、データのバリデーションは非常に重要です。

特に、ユーザーからの入力値のチェックは、エラーを未然に防ぐための最初のステップとなります。

基本的な未入力チェックはもちろん、さらに進んでカスタムバリデータを利用することで、より柔軟かつ詳細な検証を実現することができます。

このコードでは、カスタムバリデータを定義して、文字列が未入力かどうかをチェックするコードを表しています。

この例では、関数内で文字列の長さを確認して、未入力を検知しています。

type ValidationResult = {
    isValid: boolean;
    errorMessage?: string;
};

function customValidator(value: string): ValidationResult {
    // 文字列の長さが0の場合、未入力と判断
    if (value.length === 0) {
        return {
            isValid: false,
            errorMessage: '入力は必須です。',
        };
    }
    return {
        isValid: true,
    };
}

const input = '';
const result = customValidator(input);

if (!result.isValid) {
    console.log(result.errorMessage);  // 日本語のエラーメッセージを表示
}

このサンプルコードを見ると、customValidator関数は入力された文字列valueを引数として受け取り、バリデーションの結果をValidationResult型で返します。

isValidfalseの場合、errorMessageプロパティにはエラーメッセージが含まれます。

コードを実行すると、入力が空文字列のためcustomValidator関数はisValidプロパティをfalseとして返し、エラーメッセージ「入力は必須です。」がコンソールに表示されます。

このようにカスタムバリデータを使用することで、必要に応じた詳細な検証ルールを実装することが可能です。

また、バリデーションの結果をオブジェクトとして返すことで、エラーメッセージやその他の情報も同時に返すことができ、フロントエンドのUIにも柔軟に対応することができます。

注意点として、カスタムバリデータの検証ルールが複雑になりすぎると、保守性や可読性が低下する可能性があるため、バリデーションのロジックは分かりやすくシンプルに保つことが推奨されます。

次に、このカスタムバリデータをさらに拡張して、文字列の長さや特定の文字を含むかどうかなど、より詳細な検証を行う例を考えてみましょう。

function extendedValidator(value: string): ValidationResult {
    // 文字列の長さが0の場合、未入力と判断
    if (value.length === 0) {
        return {
            isValid: false,
            errorMessage: '入力は必須です。',
        };
    }
    // 文字列の長さが10文字を超える場合、エラーとする
    if (value.length > 10) {
        return {
            isValid: false,
            errorMessage: '入力は10文字以内でお願いします。',
        };
    }
    // 文字列に特定の文字が含まれている場合、エラーとする
    if (value.includes('禁止文字')) {
        return {
            isValid: false,
            errorMessage: '「禁止文字」という文字は使用できません。',
        };
    }
    return {
        isValid: true,
    };
}

上記のextendedValidator関数では、文字列の長さや特定の文字を含むかどうかといった条件を追加しています。

このように、カスタムバリデータを用いることで、柔軟なバリデーションを実現することができます。

○サンプルコード3:配列やオブジェクトの未入力チェック

TypeScriptでは、配列やオブジェクトの未入力チェックも一般的な文字列や数値と同様に重要です。

これは、アプリケーションのロジックやUIの動作において、正しいデータ構造や値が提供されていることを確保するためです。

下記のサンプルコードでは、配列やオブジェクトの未入力をチェックする方法を表しています。

この例では、配列が空か、オブジェクトに特定のキーが存在しないかどうかを検証しています。

type ValidationResult = {
    isValid: boolean;
    errorMessage?: string;
};

function arrayValidator(arr: any[]): ValidationResult {
    if (arr.length === 0) {
        return {
            isValid: false,
            errorMessage: '配列は空です。',
        };
    }
    return {
        isValid: true,
    };
}

function objectValidator(obj: {[key: string]: any}): ValidationResult {
    if (!obj.hasOwnProperty('requiredKey')) {
        return {
            isValid: false,
            errorMessage: 'オブジェクトに必要なキーが存在しません。',
        };
    }
    return {
        isValid: true,
    };
}

const sampleArray = [];
const sampleObject = { anotherKey: 'value' };

const arrayResult = arrayValidator(sampleArray);
const objectResult = objectValidator(sampleObject);

if (!arrayResult.isValid) {
    console.log(arrayResult.errorMessage); 
}

if (!objectResult.isValid) {
    console.log(objectResult.errorMessage); 
}

このコードでは、arrayValidatorobjectValidatorという二つのバリデーション関数を定義しています。

arrayValidator関数は配列が空かどうかを確認し、objectValidator関数はオブジェクトがrequiredKeyというキーを持っているかを確認します。

上記のコードを実行すると、配列とオブジェクトの両方が条件を満たしていないため、それぞれ「配列は空です。」と「オブジェクトに必要なキーが存在しません。」というエラーメッセージがコンソールに表示されます。

しかし、バリデーションはこの程度にとどまらないでしょう。

例えば、オブジェクトの特定のキーの値が正しい型であるか、あるいは配列の各要素が特定の条件を満たしているかなど、より詳細な検証が求められる場面も考えられます。

次に、オブジェクトの特定のキーの値の型をチェックする例を見てみましょう。

function keyTypeValidator(obj: {[key: string]: any}, requiredKey: string, expectedType: string): ValidationResult {
    if (typeof obj[requiredKey] !== expectedType) {
        return {
            isValid: false,
            errorMessage: `${requiredKey}の型が${expectedType}ではありません。`,
        };
    }
    return {
        isValid: true,
    };
}

const sampleObject2 = { requiredKey: 'stringValue' };

const typeResult = keyTypeValidator(sampleObject2, 'requiredKey', 'number');

if (!typeResult.isValid) {
    console.log(typeResult.errorMessage); 
}

こちらのコードは、オブジェクトが特定のキーを持ち、そのキーの値の型が期待するものと一致するかを検証します。

上記の例では、requiredKeyの値が数値型であることを期待していますが、実際は文字列型であるため、「requiredKeyの型がnumberではありません。」というエラーメッセージが表示されます。

○サンプルコード4:デコレータを使っての未入力チェック

TypeScriptの強力な機能の1つに「デコレータ」があります。

デコレータは、クラスやメソッド、プロパティ、アクセサ、パラメータに対してメタデータを追加したり、それらの動作をカスタマイズする際に役立ちます。

今回は、このデコレータを使用して未入力チェックを実施する方法を詳しく学びます。

まずは、未入力チェック用のデコレータを定義することから始めましょう。

// 未入力チェックデコレータ
function Required(target: any, propertyName: string) {
    let value = target[propertyName];

    const getter = () => value;
    const setter = (next: any) => {
        if (next === undefined || next === null || next === "") {
            throw new Error(`${propertyName}は必須項目です`);
        }
        value = next;
    };

    Object.defineProperty(target, propertyName, {
        get: getter,
        set: setter,
        enumerable: true,
        configurable: true,
    });
}

このコードでは、Requiredという名前のデコレータを作成しています。

この例では、プロパティが未入力(undefined、null、空文字)である場合にエラーをスローするように設定しています。

次に、このデコレータを使用して未入力チェックを実施する方法を見てみましょう。

class UserProfile {
    @Required
    public name: string;

    @Required
    public email: string;
}

const user = new UserProfile();
user.name = "";       // Error: nameは必須項目です
user.email = "[email protected]";  // この行は問題ありません

上記の例では、UserProfileというクラスにnameemailというプロパティが存在します。

これらのプロパティに@Requiredデコレータを適用することで、そのプロパティが未入力の場合にエラーをスローするようになっています。

具体的には、user.name = ""; の行を実行すると、「nameは必須項目です」というエラーがスローされます。

一方、user.email = "[email protected]"; の行は正常に動作します。

このように、デコレータを使用することで、TypeScriptのコード内で簡単かつ直感的に未入力チェックを行うことが可能となります。

○サンプルコード5:外部ライブラリを利用したチェック

外部ライブラリを活用することで、TypeScriptでの未入力チェックをさらに強化・簡略化することが可能です。

今回は、よく利用されるライブラリ「yup」を使った方法を解説します。

yupは、オブジェクトのスキーマ検証をサポートするJavaScriptおよびTypeScriptのライブラリです。

簡潔なAPIで、非常に詳細な検証要件を表現することができます。

まずは、yupライブラリをインストールします。

npm install yup

また、TypeScriptの型定義もインストールする必要があります。

npm install @types/yup

このコードでは、yupライブラリを使って、ユーザー情報の未入力チェックを行うコードを表しています。

この例では、名前と年齢が未入力でないことを確認しています。

import * as yup from 'yup';

interface User {
  name: string;
  age?: number;
}

const userSchema = yup.object().shape({
  name: yup.string().required('名前は必須です。'),
  age: yup.number().required('年齢は必須です。')
});

const user: User = {
  name: 'Tanaka',
  // ageがコメントアウトされているため、未入力となる
  // age: 25
};

userSchema.validate(user)
  .then(() => {
    console.log('検証成功');
  })
  .catch(err => {
    console.error(err.errors);
  });

このコードを実行すると、未入力の項目に対してエラーメッセージがコンソールに出力されます。

具体的には、「年齢は必須です。」というメッセージが表示されることになります。

また、yupライブラリは、単なる必須チェックだけでなく、様々な検証を提供しています。

例えば、文字列の長さや数値の範囲、正規表現によるパターンマッチングなどの検証も可能です。

名前の長さと年齢の範囲をチェックするサンプルコードを紹介します。

const advancedUserSchema = yup.object().shape({
  name: yup.string().required('名前は必須です。').min(3, '名前は3文字以上で入力してください。'),
  age: yup.number().required('年齢は必須です。').min(18, '18歳未満は登録できません。')
});

const advancedUser: User = {
  name: 'Ta',
  age: 17
};

advancedUserSchema.validate(advancedUser)
  .then(() => {
    console.log('検証成功');
  })
  .catch(err => {
    console.error(err.errors);
  });

このコードを実行すると、「名前は3文字以上で入力してください。」と「18歳未満は登録できません。」という2つのエラーメッセージがコンソールに出力されるでしょう。

○サンプルコード6:アサーションを用いたチェック

TypeScriptでは、型に関する追加情報や制約を指定するための特別な機能として「アサーション」を提供しています。

アサーションは、開発者が詳しい情報を持っている場面で、TypeScriptの型推論を補完する役割を果たします。

アサーションを用いると、特定の変数がある型であることを強く主張することができます。

アサーションは、値が特定の型であると確信している場合に、その型を強制的に指定する機能です。

基本的な形は 変数 as 型<型>変数 のように記述します。

アサーションを使用する際には注意が必要で、誤った型を強制すると、予期しないエラーや不具合を生じる可能性があります。

アサーションを用いた未入力チェックのサンプルコードを紹介します。

function getInputValue(inputId: string): string {
    const inputElement = document.getElementById(inputId);
    if (inputElement === null) {
        throw new Error(`要素が見つかりません: ${inputId}`);
    }

    // アサーションを使用して、inputElementがHTMLInputElementであることを明示
    return (inputElement as HTMLInputElement).value;
}

このコードでは、指定されたIDを持つHTML要素を取得し、その値を返却しています。

getElementByIdメソッドの戻り値はHTMLElement | nullですが、テキスト入力値を取得するためにはHTMLInputElement型を持つオブジェクトが必要です。

ここでアサーションを使って、取得した要素がHTMLInputElementであると明示しています。

もし、該当のIDを持つ要素がページ上に存在しない場合、エラーをスローするようにしています。

これは、未入力チェックの一環として、要素が存在しない場合の処理も実装しておくことが大切であることを表しています。

このコードを実行すると、指定したIDを持つ入力要素の値を取得することができます。

ただし、指定したIDの要素が存在しない、もしくはHTMLInputElementでない場合、エラーがスローされます。

アサーションを用いる場合、型の間違いから来るエラーを防ぐために、正確に型を指定する必要があります。

誤った型を指定すると、実行時にエラーが発生する可能性があるため、注意が必要です。

また、アサーションを過度に使用すると、コードの可読性が低下する恐れもあります。

必要な場面でのみ使用し、型が明確になるような記述を心がけることが重要です。

また、アサーションを用いて、複数の型を持つ可能性がある変数の型を絞り込むこともできます。

例えば、関数の引数としてstring | numberの型を持つ変数が与えられた場合、その変数が文字列であることを確認し、文字列としての処理を行う例です。

function processValue(value: string | number) {
    if (typeof value === "string") {
        // アサーションを使用して、valueがstringであることを明示
        let upperValue = (value as string).toUpperCase();
        console.log(upperValue);
    } else {
        console.log(value);
    }
}

このコードでは、valueが文字列である場合に、その文字列を大文字に変換して表示します。

数字である場合は、そのまま表示します。

ここでもアサーションを用いて、valueが文字列であることを明示しています。

このコードを実行すると、文字列が与えられた場合はその文字列を大文字に変換して表示し、数字が与えられた場合はそのままの数字を表示します。

○サンプルコード7:オプショナルチェイニングを利用したチェック

TypeScriptにおいて、オブジェクトや配列の中の特定のプロパティや要素にアクセスしようとしたとき、それらが存在しない可能性がある場面でエラーが発生することがあります。

例えば、ネストされたオブジェクトのプロパティにアクセスしようとしたとき、中間のオブジェクトが存在しない場合にエラーとなってしまうのです。

このようなシチュエーションで役立つのが、オプショナルチェイニングという特性です。

オプショナルチェイニングを使用すると、指定したプロパティや要素が存在しない場合にはundefinedを返し、エラーを回避することができます。

このコードではオプショナルチェイニングを使ってネストされたオブジェクトのプロパティに安全にアクセスする方法を表しています。

この例では、ユーザーのプロファイル情報を保持するオブジェクトから、特定の住所情報を取得しています。

type UserProfile = {
    name: string;
    age: number;
    address?: {
        city?: string;
        zipCode?: string;
    };
};

const user: UserProfile = {
    name: "Taro",
    age: 25,
    address: {
        city: "Tokyo"
    }
};

// オプショナルチェイニングを使用して、安全に住所情報にアクセス
const city = user.address?.city;
const zipCode = user.address?.zipCode;

console.log(city);    // "Tokyo"
console.log(zipCode); // undefined

このサンプルコードでは、UserProfileという型を定義し、ユーザーの情報を持つuserオブジェクトを宣言しています。

そして、オプショナルチェイニング?.を使用して、addressオブジェクトの中のcityzipCodeプロパティにアクセスしています。

このコードを実行すると、cityには”Tokyo”が、zipCodeにはundefinedが格納されます。

このように、オプショナルチェイニングを利用することで、存在しないプロパティにアクセスしようとした場合でもエラーを回避し、undefinedを返すことができるのです。

オプショナルチェイニングは、深くネストされたオブジェクトの中の情報を取得する際に非常に役立ちます。

しかし、使用する際には、取得した値がundefinedである可能性があることを意識する必要があります。

例えば、ユーザーのプロファイル情報の中に、さらに詳細な住所情報を持つ場合、次のようにオプショナルチェイニングを利用してアクセスできます。

type DetailedProfile = {
    name: string;
    address?: {
        city?: string;
        details?: {
            street?: string;
            building?: string;
        };
    };
};

const detailedUser: DetailedProfile = {
    name: "Hanako",
    address: {
        city: "Osaka",
        details: {
            street: "Abeno"
        }
    }
};

const street = detailedUser.address?.details?.street;
console.log(street);  // "Abeno"

この例では、detailedUserオブジェクトから、さらにネストされたdetailsオブジェクトのstreetプロパティにアクセスしています。

オプショナルチェイニングを用いることで、深くネストされたプロパティにも安全にアクセスできるのがわかります。

○サンプルコード8:型ガードを活用した未入力チェック

型ガードは、TypeScriptで変数の型を確認する際に使う特定の式です。

型ガードを利用することで、コンパイル時に変数の型を正確に把握することができ、それにより未入力チェックや他のバリデーション処理を安全に行うことができます。

このコードでは型ガードを使って、関数の引数が文字列であるかをチェックするコードを表しています。

この例では、関数が受け取る引数の型をチェックして、文字列であればそのまま返し、そうでなければエラーメッセージを返すようにしています。

function checkInput(input: any): string {
    if (typeof input === "string") {
        return input;
    } else {
        return "入力されたデータは文字列ではありません。";
    }
}

このコードのポイントは、typeofを使用して引数の型を確認する部分です。

typeof input === "string"という式は、inputが文字列であるかをチェックする型ガードとなっており、これによって関数の中でinputの型が確定的にstringであると分かる範囲が確保されます。

この関数を次のように使うことができます。

console.log(checkInput("こんにちは"));  // こんにちは
console.log(checkInput(12345));        // 入力されたデータは文字列ではありません。

引数として文字列”こんにちは”を渡すと、そのまま”こんにちは”が返されます。

一方、数字の12345を渡すと、”入力されたデータは文字列ではありません。”というエラーメッセージが返されるのを確認できます。

このように、型ガードを活用することで、関数の中での変数の型を確定的に知ることができるため、安全に未入力チェックや他のバリデーションを行うことができます。

未入力チェックは、ユーザーからの入力を正確にハンドリングするための非常に重要なステップです。

特にWebアプリケーションのようなユーザーからの入力を直接取り扱う場面では、このようなチェックを行わないと予期しないエラーやバグを引き起こす可能性があります。

また、型ガードはTypeScriptの強力な型システムを活用してコードの品質を向上させるための有効なツールの一つです。

適切に型ガードを使うことで、コードの堅牢性を向上させることができます。

○サンプルコード9:非同期処理との連携でのチェック

TypeScriptを使用しているプロジェクトにおいて、非同期処理と連携した未入力チェックを実装する場面は非常に一般的です。

特にWebアプリケーションで外部APIとの連携や、データベースとの通信を行う場面でこのようなチェックが必要になることが多いです。

このコードでは、非同期処理を行いながら、その結果を基に未入力チェックを行う方法を示しています。

この例では、外部APIからデータを取得し、そのデータの中の特定のフィールドが未入力かどうかをチェックしています。

// 非同期でデータを取得する関数
async function fetchDataFromAPI(): Promise<{data?: string}> {
    // ここではサンプルとして、ランダムにデータが存在するかを判定しています。
    const randomValue = Math.random();
    if (randomValue > 0.5) {
        return { data: "Sample Data" };
    } else {
        return {};
    }
}

// 非同期処理と連携した未入力チェック関数
async function checkData() {
    const response = await fetchDataFromAPI();

    if (!response.data) {
        console.log("データが未入力です。");
    } else {
        console.log("データは入力されています。");
    }
}

checkData();

このサンプルコードは、まずfetchDataFromAPI関数を用いて非同期にデータを取得しています。

取得したデータがdataフィールドを持つかどうかをcheckData関数内でチェックしています。

このコードを実際に実行すると、データが未入力の場合は”データが未入力です。”と表示され、データが入力されている場合は”データは入力されています。”と表示されます。

応用例として、実際のAPIからのレスポンスに基づいた未入力チェックや、複数のフィールドをチェックする際のロジックの拡張などが考えられます。

例えば、APIのレスポンスにnameemailといった複数のフィールドが含まれている場合、それぞれのフィールドに対して未入力チェックを行う必要があります。

// サンプルのAPIレスポンス型
type APIResponse = {
    name?: string;
    email?: string;
};

// 非同期でデータを取得する関数
async function fetchData(): Promise<APIResponse> {
    // 仮のデータを返す
    return { name: "Taro", email: "" };
}

// 複数のフィールドをチェックする関数
async function checkMultipleFields() {
    const response = await fetchData();

    if (!response.name) {
        console.log("名前が未入力です。");
    }
    if (!response.email) {
        console.log("メールアドレスが未入力です。");
    }
}

checkMultipleFields();

このように、APIのレスポンスに含まれる各フィールドに対して未入力チェックを行うことができます。

未入力のフィールドがある場合、それぞれのフィールド名に応じたメッセージが表示されます。

○サンプルコード10:イベントハンドラ内での未入力チェック

未入力チェックは、多くのWebアプリケーションやモバイルアプリケーションで欠かせない機能の1つです。

ユーザーインターフェースの一部として、フォーム入力におけるバリデーションが行われることが多いです。

今回は、TypeScriptを使用して、イベントハンドラ内での未入力チェックを行う方法を詳しく解説していきます。

まず、基本的なHTMLのフォームを考えてみましょう。

<form id="sampleForm">
    <input type="text" id="username" placeholder="ユーザー名">
    <button type="submit">送信</button>
</form>

このフォームのユーザー名部分に未入力の場合、エラーメッセージを表示するようにしたいと思います。

そのためのTypeScriptコードを紹介します。

// HTML要素を取得
const form = document.getElementById('sampleForm') as HTMLFormElement;
const username = document.getElementById('username') as HTMLInputElement;

// イベントハンドラの設定
form.addEventListener('submit', (e) => {
    // ユーザー名が未入力の場合のチェック
    if (!username.value) {
        e.preventDefault();  // 送信をキャンセル
        alert('ユーザー名を入力してください。');
    }
});

このコードでは、getElementByIdを使って、HTMLのフォーム要素とユーザー名の入力エリアを取得しています。

そして、フォームの送信イベントに対して、イベントハンドラを設定しています。

イベントハンドラ内では、username.valueをチェックし、値が存在しない場合(未入力の場合)、e.preventDefault()を用いてフォームの送信をキャンセルし、エラーメッセージをアラートで表示しています。

この例のように、TypeScriptを用いてイベントハンドラ内で簡単に未入力チェックを行うことができます。

また、実際のシチュエーションでは、複数の入力項目や複雑なバリデーションルールが存在することが考えられます。

その場合、独自のバリデーション関数を作成し、それをイベントハンドラ内で呼び出すようにすることで、より柔軟な未入力チェックを実装することができます。

上記のコードをブラウザで実行すると、ユーザー名の入力エリアが未入力の状態で「送信」ボタンをクリックすると、「ユーザー名を入力してください。」というアラートメッセージが表示され、フォームの送信がキャンセルされる動作を確認することができます。

未入力チェックは、ユーザーのミスを防ぐだけでなく、意図しないデータの送信やエラーの発生を防ぐためにも非常に重要です。

TypeScriptを活用することで、より型安全な未入力チェックの実装が可能となり、バグのリスクを低減することができます。

●注意点と対処法

TypeScriptを使用した未入力チェックは、確かに非常に有用ですが、いくつかの注意点とそれに対する対処法が存在します。

ここでは、これらの注意点を明らかにし、実際に遭遇したときの対処法をサンプルコードと共に詳細に解説します。

○型の落とし穴とその対応策

TypeScriptの大きな魅力の一つは、強力な型システムです。

しかし、これは同時に新たな問題を生む場面も少なくありません。特に未入力チェックの文脈では、意図しない型のアサインや型の推論により、予期しない動作を引き起こすことがあります。

このコードでは型のアサインの問題点と、その解決策を表しています。

この例ではstring型の変数をnumber型の変数に誤って代入しようとしています。

// 型の落とし穴のサンプルコード
let strValue: string = "100";
// let numValue: number = strValue; // これはエラーになる

// 対処法
let numValue: number = Number(strValue); // 正しく数値に変換して代入

上のコードのコメント部分を見ていただくと、strValueを直接numValueに代入しようとするとエラーが生じることが分かります。

このように、TypeScriptは型の不一致を検出してくれますが、未入力チェックの際にこのような型の問題に気を付ける必要があります。

○過度な未入力チェックのリスク

未入力チェックは必要ですが、過度に行うとコードが冗長になり、保守性が低下する可能性があります。

さらに、あまりに多くのチェックを行うと、逆にエラーの原因となることも考えられます。

このコードでは過度な未入力チェックの例を表しています。

この例では、同じ値に対して複数回の未入力チェックを行っています。

const inputValue: string | null = "テスト";

// 過度な未入力チェックの例
if (inputValue !== null && inputValue !== undefined && inputValue !== "") {
    console.log("入力があります");
} else {
    console.log("入力がありません");
}

上のコードを実行すると、”入力があります”と出力されます。

ただし、同じ値に対して3回もチェックを行っているため、冗長です。

このようなコードは、後から見たときに何をチェックしているのか分かりづらくなるため、最低限のチェックだけを行うように心がけることが大切です。

●カスタマイズ方法

未入力チェックは多くの場面で役立ちますが、場面や要件によってカスタマイズが必要となることも多々あります。

そのため、TypeScriptを使用して独自の未入力チェックをカスタマイズする方法について、サンプルコードを交えて解説していきます。

○独自のバリデーション関数の作成

未入力チェックだけではなく、特定の条件を満たす入力を検証するためのカスタムバリデーション関数も必要になることがあります。

文字列が特定の長さを超えていないかを検証するカスタムバリデーション関数の例を表しています。

// このコードでは、文字列の長さを検証するための関数を定義しています。
// この例では、文字列が指定された最大長を超えているかどうかをチェックしています。
function 文字列長さチェック(入力: string, 最大長: number): boolean {
  // 入力文字列が最大長を超えている場合、falseを返す
  return 入力.length <= 最大長;
}

この関数を使用すると、次のように特定の長さを超える文字列を簡単に検証することができます。

const 名前 = "田中太郎";
if (文字列長さチェック(名前, 5)) {
  console.log("名前は正しい長さです。");
} else {
  console.log("名前が長すぎます。");
}

上のコードを実行すると、「名前は正しい長さです。」と表示されることが期待されます。

さらに、このカスタムバリデーション関数を利用して、さまざまな場面での検証を柔軟に行うことができます。

例えば、ユーザーの入力を受け取り、それが指定の条件を満たしているかどうかを検証する際などに非常に役立ちます。

まとめ

未入力チェックは、ユーザー入力に依存するアプリケーションやウェブサイトでの重要なステップとなります。

これによって、不正なデータの送信やエラーの発生を防ぐことができます。

TypeScriptを利用すると、型の強力なサポートと組み合わせて、さまざまな手法で未入力チェックを行うことができるのです。

これからもTypeScriptを使用して、安全で品質の高いアプリケーション開発を進める際に、今回の記事が参考になれば幸いです。