初心者向け!HTML「nth-of-type」の使い方8選 – Japanシーモア

初心者向け!HTML「nth-of-type」の使い方8選

HTML nth-of-type セレクタを使ったスタイリングの例HTML
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はじめに

この記事では、HTMLでのスタイリングに非常に便利なセレクタ、「nth-of-type」について解説します。

このセレクタをマスターすることで、Webページの特定の要素を効率的にスタイルする方法がわかります。

これから、初心者でも理解しやすいように、基本的な使い方から始めて、具体的なサンプルコードを通じて実際の応用例まで段階的に解説していきます。

Webデザインの可能性を広げるための一歩として、ぜひこの機会にnth-of-typeセレクタの使い方を身につけましょう。

●nth-of-typeセレクタとは

nth-of-typeセレクタは、CSSにおいて特定のタイプの要素の中でn番目の要素だけにスタイルを適用するためのものです。

たとえば、ある親要素の下にある特定のタイプの子要素全てに対して一定のスタイルルールを適用しつつ、特定の順番の要素だけ異なるスタイルを設定したい場合に非常に有効です。

これにより、デザインのバリエーションを簡単に増やすことができ、サイト全体の見栄えを向上させることが可能になります。

○nth-of-typeの基本的な説明

nth-of-typeセレクタの基本的な構文は非常にシンプルです。

親要素のタイプ:nth-of-type(n) {
    スタイルルール;
}

ここで、「親要素のタイプ」はスタイルを適用したい要素のタイプ(例えば、divやpなど)を指し、「n」は数値や式で、何番目の要素にスタイルを適用するかを指定します。

nには、具体的な数字の他に、奇数や偶数を意味するキーワード(oddやeven)を使用することもできます。

たとえば、下記のHTML構造があるとします。

<div>
    <p>パラグラフ1</p>
    <p>パラグラフ2</p>
    <p>パラグラフ3</p>
    <p>パラグラフ4</p>
</div>

この中で、3番目のパラグラフだけに特別なスタイルを適用したい場合、CSSは次のように書きます。

div p:nth-of-type(3) {
    color: red;
}

このコードは、div要素の中の3番目のp要素にのみ赤色のテキストカラーを適用します。

このシンプルな例を通じて、nth-of-typeセレクタがどのように機能するかの基本を理解できるでしょう。

●nth-of-typeの使い方

nth-of-typeセレクタを用いることで、CSSの指定を非常に精密に制御できます。

これにより、ページ内の特定のパターンに合わせて要素を選択し、デザインの一貫性を保ちつつバリエーションを加えることが可能です。

ここでは、nth-of-typeの具体的な使い方と、それを応用したいくつかの例を見ていきましょう。

まず、nth-of-typeは同一の親要素の下にある特定の子要素をターゲットにします。

これは、「:nth-child」と似ていますが、nth-of-typeは要素のタイプ(例えば、pやdivなど)に基づいて選択される点が異なります。

たとえば、次のようなHTML構造を考えます。

<ul>
    <li>アイテム1</li>
    <li>アイテム2</li>
    <li>アイテム3</li>
    <li>アイテム4</li>
</ul>

ここで、リストの奇数番目のアイテムにスタイルを適用するには、下記のCSSを書きます。

ul li:nth-of-type(odd) {
    color: blue;
}

このセレクタは、ulタグ内のli要素のうち、奇数番目(1番目、3番目…)の要素に青色のテキストカラーを適用します。

○サンプルコード1:リストアイテムの特定の要素をスタイリングする

次に、nth-of-typeを使ってリスト内の特定のアイテムを強調表示する方法を見てみましょう。

例えば、5番目のリストアイテムだけを目立たせたい場合は、次のようにCSSを設定します。

ul li:nth-of-type(5) {
    background-color: yellow;
    font-weight: bold;
}

このコードにより、5番目のリストアイテムだけが黄色の背景と太字で表示され、他のアイテムと区別されます。

○サンプルコード2:特定のテーブル行にスタイルを適用する

Webページ内のテーブルでは、特定の行にスタイルを適用することがよくあります。

例えば、テーブルの3行目に特別な背景色を設定するには、次のCSSを使用します。

table tr:nth-of-type(3) {
    background-color: #f2f2f2;
}

この設定により、テーブルの3行目だけが灰色の背景を持つことになり、読みやすさを向上させることができます。

○サンプルコード3:画像ギャラリーでnth-of-typeを使って特定の画像を強調表示する

画像ギャラリーで特定の画像を強調することは、視覚的なインパクトを高めるために効果的です。

下記のようにCSSを設定することで、第一画像だけサイズを大きく表示することができます。

div.gallery img:nth-of-type(1) {
    width: 150%;
    border: 3px solid red;
}

この例では、ギャラリーの最初の画像のみが他の画像よりも大きく表示され、赤い枠線で囲まれます。

○サンプルコード4:フォーム内の特定の入力フィールドを選択する

フォーム内で特定の入力フィールドにスタイルを適用する際にもnth-of-typeは有用です。

例えば、フォームの3番目の入力フィールドにスタイルを適用するには、下記のようにします。

form input:nth-of-type(3) {
    border: 2px solid green;
}

このスタイルルールにより、3番目の入力フィールドが緑色の境界線で強調表示されます。

○サンプルコード5:記事中の特定の段落に異なるスタイルを適用する

最後に、記事の中で特定の段落だけを目立たせたい場合には、nth-of-typeセレクタを使用すると便利です。

例えば、記事の第二段落だけフォントサイズを大きくしたい場合は、下記のように設定します。

article p:nth-of-type(2) {
    font-size: 20px;
    color: navy;
}

この設定により、記事の第二段落のテキストだけが他の段落よりも大きく、紺色で表示され、注目を集めることができます。

●よくあるエラーとその対処法

nth-of-typeセレクタを使用する際には、特定のエラーが発生しやすいことがあります。

こうしたエラーを避けるためには、セレクタの仕様と挙動を正確に理解しておくことが重要です。

最も一般的な問題の一つに、セレクタの指定が意図した要素を選択しない場合があります。

これは、CSSのセレクタが想定外の要素に適用されることによるものです。

たとえば、異なるタイプの要素が混在する中でnth-of-typeを使用した場合、意図しない要素が選択されることがあります。

例えば、下記のHTMLコードを考えましょう。

<div>
    <p>テキスト1</p>
    <div>テキスト2</div>
    <p>テキスト3</p>
    <p>テキスト4</p>
</div>

ここで、div p:nth-of-type(2)というセレクタを使うと、2番目のp要素を選択するつもりが、実際には何も選択されません。

これは、nth-of-typeが親要素内で同じタイプの兄弟要素の中から数えるためです。

この問題を解決するには、セレクタをdiv p:nth-of-type(1)と指定するか、異なるタイプの要素が混在する場合は別の方法を検討する必要があります。

対処法として、HTML構造を明確にし、CSSセレクタが正確に適用されるようにすることが推奨されます。

また、JavaScriptを用いて動的にクラスを追加するなどして、CSSの適用範囲を制御する方法も有効です。

○nth-of-typeを使った時の一般的な間違いと解決策

nth-of-typeセレクタを使う際によくある間違いは、セレクタのnの値を誤解することです。

多くの開発者が、1-based indexであることを見落とし、0を初めとする数を使用してしまいます。

これはセレクタが期待通りに機能しない原因となります。

例として、リストの最初の要素を選択しようとしてli:nth-of-type(0)と書いてしまうケースがこれに該当します。

正しくはli:nth-of-type(1)と記述する必要があります。

このような問題を解決するには、CSSセレクタの基本から学び直すことが効果的です。

また、実際にコードを書いてテストすることで、自身の理解を深めることができます。

デベロッパーツールを使用して実際のHTML要素とスタイルがどのように適用されているかを視覚的に確認することも、エラーの原因を特定しやすくするために役立ちます。

○CSSセレクタの優先順位に関する問題

CSSでは、複数のルールが同一の要素に適用される場合、特定のルールが他のルールより優先されることがあります。

この「優先順位」は、セレクタの具体性に基づいて決定されます。

nth-of-typeセレクタを含むCSSルールが予期せず適用されない場合、他のCSSルールによって上書きされている可能性があります。

例えば、下記のCSSがあるとします。

#container p {
    color: red;
}
p:nth-of-type(1) {
    color: blue;
}

この場合、idセレクタがクラスセレクタやタグセレクタよりも具体性が高いため、#container内のすべてのp要素は赤色で表示され、nth-of-typeによる青色の適用は無視されます。

この問題を解決するには、nth-of-typeセレクタのルールにもidセレクタを使用するか、さらに具体的なセレクタを用いる必要があります。

●nth-of-typeの応用例

nth-of-typeセレクタはその柔軟性から、多くの応用が可能です。

ここでは、特に実践的な応用例をいくつか紹介し、どのようにしてWebデザインの幅を広げるかを探ります。

例えば、Webページにおいて異なるセクションごとに異なるスタイリングを適用する必要がある場合、nth-of-typeセレクタは非常に有効です。

特に、定期的なコンテンツの更新やレイアウトの変更が頻繁に行われるサイトにおいて、このセレクタを使うことで、CSSの変更を最小限に抑えつつ、望むスタイリングを維持することが可能です。

○サンプルコード6:複数のCSSクラスが混在する状況でnth-of-typeを使う方法

複数のクラスが指定された要素群に対して、特定のパターンでスタイルを適用する場合にnth-of-typeを利用します。

ここでは、異なるクラスが付与されたdiv要素に対して、3つごとに背景色を変更する例を紹介します。

<div class="box">Box 1</div>
<div class="box special">Box 2</div>
<div class="box">Box 3</div>
<div class="box">Box 4</div>
<div class="box special">Box 5</div>
<div class="box">Box 6</div>
.box:nth-of-type(3n) {
    background-color: #f2f2f2;
}

このCSSは、.boxクラスを持つ要素の中で、3の倍数位置にある要素に灰色の背景を設定します。

○サンプルコード7:レスポンシブデザインにおけるnth-of-typeの活用

レスポンシブデザインにおいて、異なるブレークポイントで異なる要素の表示を制御したい場合にもnth-of-typeが役立ちます。

下記の例では、画面のサイズに応じて異なるリストアイテムを表示または非表示にしています。

<ul>
    <li>アイテム1</li>
    <li>アイテム2</li>
    <li>アイテム3</li>
    <li>アイテム4</li>
</ul>
@media (max-width: 600px) {
    li:nth-of-type(2n) {
        display: none;
    }
}

このメディアクエリは、画面幅が600px以下の場合に、2の倍数のリストアイテムを非表示にします。

○サンプルコード8:動的なWebページでのJavaScriptとの連携

nth-of-typeセレクタは、JavaScriptと組み合わせて動的なWebページの挙動を制御するのにも使えます。

下記の例では、特定の要素にイベントリスナーを追加し、クリック時にスタイルを変更しています。

<div class="clickable">クリック1</div>
<div class="clickable">クリック2</div>
<div class="clickable">クリック3</div>
document.querySelectorAll('.clickable:nth-of-type(odd)').forEach(el => {
    el.addEventListener('click', function() {
        this.style.backgroundColor = 'yellow';
    });
});

このスクリプトは、クラス.clickableを持つ奇数番目の要素にイベントハンドラを設定し、それらの要素がクリックされたときに背景色を黄色に変更します。

これにより、ユーザーのインタラクションに応じて動的なスタイルの変更が行えます。

●エンジニアなら知っておくべきnth-of-typeの豆知識

nth-of-typeセレクタはCSSにおける強力なツールの一つであり、多くの便利な機能を提供しますが、その効果的な使用にはいくつかの豆知識があります。特

に、パフォーマンスや予期しない挙動を理解しておくことは、より良いWeb開発者になるために役立ちます。

まず、nth-of-typeセレクタは、特に大規模なドキュメントや多くの同型要素を含む場合、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

このセレクタは、指定された要素のタイプに基づいて子要素をカウントするため、ブラウザはドキュメントの再計算を余儀なくされることがあります。

そのため、使用する際には、ページのレンダリング速度を適宜テストし、パフォーマンスの低下を引き起こしていないか確認することが重要です。

また、nth-of-typeセレクタを使用する際には、特定のHTML構造内でのみ有効という点を理解しておく必要があります。

このセレクタは指定された要素の同型の兄弟要素にのみ作用するため、予期しない挙動を避けるためにはDOMの構造を正確に把握しておくことが不可欠です。

○nth-of-typeセレクタのパフォーマンスについて

CSSのセレクタの中でも、nth-of-typeは特に計算コストが高いことが知られています。

このセレクタが原因でWebページのレンダリング速度が低下するケースもあります。

具体的には、ブラウザが要素を識別するために、ページ内のすべての同型要素を数える必要があるため、ページに多数の要素が存在する場合にはその影響が顕著になります。

たとえば、このように多数のリストアイテムがある場合、nth-of-typeセレクタを使うとブラウザの処理負担が増大します。

<ul>
    <li>アイテム1</li>
    <li>アイテム2</li>
    <li>アイテム3</li>
    <!-- 以下、多数のリストアイテムが続く -->
</ul>
li:nth-of-type(odd) {
    background-color: lightgrey;
}

このCSSルールは、奇数番目のリストアイテムすべてに背景色を設定しますが、リストアイテムの数が非常に多い場合、ページの読み込み速度に影響を与える可能性があります。

○セレクタの特殊ケースとエッジケースの取り扱い

nth-of-typeセレクタは非常に便利ですが、特殊なケースやエッジケースでは予期しない挙動を示すことがあります。

たとえば、異なるタイプの要素が混在している場合、予想と異なる要素が選択されることがあります。

考えられる一例として、下記のHTML構造において、nth-of-typeを使用した場合の挙動です。

<div>
    <h1>見出し</h1>
    <p>段落

1</p>
    <p>段落2</p>
    <h2>サブ見出し</h2>
    <p>段落3</p>
</div>

ここで、div p:nth-of-type(2)を指定した場合、<p>段落2</p>だけでなく、<h2>サブ見出し</h2>が含まれることに注意が必要です。

なぜなら、nth-of-typeは指定された要素のタイプに応じて兄弟要素の中から計算されるため、異なるタイプの要素の影響を受けることがないからです。

まとめ

nth-of-typeセレクタは、Web開発における強力なツールであり、ページ内の特定の要素に精確にスタイルを適用するために使用されます。

このセレクタを適切に活用することで、コードの簡潔性を保ちつつ、デザインの柔軟性と精度を向上させることができます。

エンジニアとしてこの知識を身につけることで、より効率的で効果的なWebページを構築することが可能になります。