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Rubyでスクレイピング始めよう!10ステップでプロが解説

Rubyでウェブスクレイピングを学ぶ初心者向けガイド Ruby
この記事は約15分で読めます。

【サイト内のコードはご自由に個人利用・商用利用いただけます】

この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

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はじめに

ウェブスクレイピングは、ウェブ上の情報を自動的に収集する技術の一つです。

特に、データ分析やマシンラーニングなど、データが価値を持つ現代社会においては、スクレイピング技術は非常に重要なスキルとなっています。

この記事では、プログラミング言語Rubyを用いたウェブスクレイピングについて、手取り足取り10ステップで解説します。

あなたがこの記事を読み終えたとき、Rubyを使って自由にウェブ上の情報を収集することができるようになっているでしょう。

●Rubyとは

Rubyは、まつもとゆきひろ氏により開発されたオブジェクト指向のプログラミング言語です。

シンプルで直感的な文法が特徴で、学びやすさから初心者にも非常に人気があります。

また、Rubyには強力なライブラリが豊富に揃っており、その一つにウェブスクレイピングを支援するライブラリも多数存在します。

そのため、Rubyはスクレイピング入門には最適な言語と言えます。

●ウェブスクレイピングとは

ウェブスクレイピングとは、ウェブページから自動的に情報を収集する技術のことを指します。

通常、ウェブページは人間が読むことを目的としてデザインされていますが、スクレイピングにより、プログラムが読むことが可能になります。

具体的には、ウェブページのHTMLから必要なデータを抽出し、そのデータを分析や利用のために整形します。

スクレイピングは、情報収集の効率化、大量のデータの解析、データ駆動の意思決定など、様々な場面で活用されています。

●Rubyでスクレイピングするための準備

スクレイピングを行うためには、まずRubyの環境を整える必要があります。

そして、スクレイピングに特化したライブラリを利用することで、より効率的にスクレイピングを行うことができます。

○Rubyのインストール

Rubyのインストールは各OSにより異なりますが、多くの場合、コマンド一つでインストールすることが可能です。

例えば、macOSの場合はHomebrewを使用してRubyをインストールすることができます。

brew install ruby

これを実行すると、最新版のRubyがインストールされます。

インストールが完了したら、次のコマンドでRubyのバージョンを確認しましょう。

ruby -v

これにより表示されるバージョンがインストールしたRubyのバージョンと一致していれば、Rubyのインストールは成功です。

○必要なライブラリのインストール

Rubyでウェブスクレイピングを行うためには、’nokogiri’というライブラリをインストールします。

このライブラリはHTMLやXMLの解析を助けるもので、スクレイピングではほぼ必須となります。

また、’open-uri’はURLにアクセスするためのライブラリです。

これらをGemというパッケージ管理システムを用いてインストールします。

gem install nokogiri

このコマンドでnokogiriをインストールします。

‘open-uri’はRubyの標準ライブラリなので、特別なインストールは必要ありません。

これでスクレイピングするための準備は整いました。

●Rubyでのスクレイピングの基本的なステップ

Rubyでウェブスクレイピングを行う基本的な手順は次の3ステップです。

1.ウェブページにアクセスする、2.HTMLを解析する、3.特定のデータを抽出する。

これらのステップをひとつずつ見ていきましょう。

○サンプルコード1:ウェブページにアクセスする

まずは、スクレイピング対象のウェブページにアクセスする必要があります。

Rubyでは’open-uri’ライブラリを使うことで、簡単にウェブページにアクセスすることができます。

下記のコードは、Googleのトップページにアクセスし、その内容を表示するコードです。

require 'open-uri'

open('http://www.google.com') do |f|
  puts f.read
end

このコードでは、openメソッドを用いてhttp://www.google.comにアクセスしています。

その後、readメソッドでページの内容を読み込み、それをputsで出力しています。

この結果として、GoogleのトップページのHTMLがコンソールに表示されます。

○サンプルコード2:HTMLを解析する

次に、取得したHTMLを解析します。Rubyでは、’nokogiri’ライブラリを使うことで、簡単にHTMLの解析が可能です。

下記のコードでは、先程と同じくGoogleのトップページを取得し、そのHTMLを解析しています。

require 'open-uri'
require 'nokogiri'

html = open('http://www.google.com').read
doc = Nokogiri::HTML.parse(html)

puts doc.title

このコードでは、まずopenメソッドでGoogleのトップページを取得し、その結果をreadメソッドで文字列として取得しています。

そして、Nokogiri::HTML.parseメソッドでそのHTMLを解析し、Nokogiri::HTML::Documentオブジェクトを生成しています。

最後に、このオブジェクトのtitleメソッドでHTMLのタイトルを取得し、それを出力しています。

この結果として、Googleのトップページのタイトルがコンソールに表示されます。

○サンプルコード3:特定のデータを抽出する

最後に、解析したHTMLから特定のデータを抽出します。NokogiriライブラリはCSSセレクタを用いて特定の要素を簡単に取得することができます。

下記のコードは、Googleのトップページからロゴ画像のURLを取得するコードです。

require 'open-uri'
require 'n

okogiri'

html = open('http://www.google.com').read
doc = Nokogiri::HTML.parse(html)

logo_image = doc.css('#hplogo')[0]
puts logo_image['src']

このコードでは、まず同じくGoogleのトップページを取得し、そのHTMLをNokogiriで解析しています。

その後、cssメソッドでHTML内の’#hplogo’というIDを持つ要素を取得し、そのsrc属性を出力しています。

この結果として、Googleのロゴ画像のURLがコンソールに表示されます。

●応用的なスクレイピングの手法

基本的なスクレイピングのスキルを習得した後は、より高度なテクニックに挑戦することが可能になります。

これらのテクニックを習得することで、ページネーションのあるサイトやログインが必要なサイト、さらにはJavaScriptで動的にコンテンツが生成されるサイトなど、より複雑なウェブサイトからのデータ取得が可能になります。

それでは、具体的なコードとともにそれぞれのテクニックを見ていきましょう。

○サンプルコード4:ページネーションの扱い

ウェブサイトによっては、情報が複数のページに分散して表示される場合があります。

これをページネーションと呼びます。スクレイピングを行う際には、このページネーションを適切に扱うことが求められます。

下記のコードは、ページネーションのあるサイトからデータを取得する例です。

require 'open-uri'
require 'nokogiri'

(1..10).each do |i|
  url = "http://example.com/list?page=#{i}"
  html = open(url).read
  doc = Nokogiri::HTML.parse(html)

  doc.css('.item').each do |item|
    puts item.text
  end
end

このコードでは、まず1から10までの数値を順に取り出し、それぞれのページのURLを生成しています。

次に、そのURLにアクセスしてHTMLを取得し、それをNokogiriで解析しています。

最後に、解析したHTMLから特定のデータを取り出して出力しています。

これにより、複数のページにまたがって表示されるデータを一度に取得することができます。

○サンプルコード5:ログインが必要なサイトのスクレイピング

ログインが必要なサイトからデータを取得するためには、セッション管理やクッキーの扱いを理解することが必要です。

Rubyでは’mechanize’ライブラリを使うことで、これらの処理を簡単に行うことができます。

下記のコードは、ログインが必要なサイトからデータを取得する例です。

require 'mechanize'

agent = Mechanize.new
agent.get('http://example.com/login')

form = agent.page.forms.first
form['username'] = 'user'
form['password'] = 'pass'

agent.submit(form)

puts agent.page.body

このコードでは、まずMechanizeの新しいインスタンスを作成し、ログインページにアクセスしています。

次に、そのページの最初のフォームを取得し、ユーザー名とパスワードを入力しています。

最後に、そのフォームを送信してログインし、ログイン後のページの内容を出力しています。

○サンプルコード6:JavaScriptを扱うサイトのスクレイピング

JavaScriptで動的にコンテンツが生成されるサイトからデータを取得するためには、JavaScriptを実行できる環境が必要になります。

Rubyでは’selenium-webdriver’ライブラリと’headless’ライブラリを使うことで、これを実現することができます。

下記のコードは、JavaScriptで動的にコンテンツが生成されるサイトからデータを取得する例です。

require 'selenium-webdriver'
require 'headless'

headless = Headless.new
headless.start

driver = Selenium::WebDriver.for :firefox
driver.get('http://example.com')

puts driver.page_source

driver.quit
headless.destroy

このコードでは、まずHeadlessの新しいインスタンスを作成して、仮想的なディスプレイを開始しています。

次に、Selenium WebDriverの新しいインスタンスを作成し、目的のURLにアクセスしています。

その後、ページのソースコードを出力し、WebDriverと仮想的なディスプレイを閉じています。

これらの高度なテクニックを習得することで、さまざまなウェブサイトから情報を取得することが可能になります。

特にページネーションのあるサイトやログインが必要なサイト、JavaScriptで動的にコンテンツが生成されるサイトといった、通常の手法ではデータ取得が難しいサイトからも、必要な情報を効率的に取得することができます。

●スクレイピングのための便利なライブラリ

Rubyでスクレイピングを行う際に役立つライブラリはたくさんあります。

ここでは、特によく使われる「Nokogiri」、「Mechanize」、「Selenium WebDriver」について詳しく説明します。

Nokogiriは、HTMLやXMLの解析を行うためのライブラリです。Nokogiriを使用すると、ウェブページのHTMLを読み込み、特定の要素を抽出したり、その内容を取得したりすることができます。

下記のコードは、Nokogiriを使ってウェブページから特定の要素を抽出する例です。

require 'open-uri'
require 'nokogiri'

html = open('http://example.com').read
doc = Nokogiri::HTML.parse(html)
titles = doc.css('.title')

titles.each do |title|
  puts title.text
end

このコードでは、まずウェブページのHTMLを取得し、それをNokogiriで解析しています。

そして、’.title’というクラスを持つ要素を全て抽出し、それぞれのテキストを出力しています。

このように、Nokogiriを使うと、簡単にウェブページから情報を抽出することができます。

次に、Mechanizeです。

Mechanizeは、Rubyでウェブブラウザのような操作を行うためのライブラリです。

Mechanizeを使うと、ページ間の移動やフォームの入力、クッキーの管理など、ブラウザで行うような操作をプログラムから行うことができます。

下記のコードは、Mechanizeを使ってウェブサイトにログインする例です。

require 'mechanize'

agent = Mechanize.new
agent.get('http://example.com/login')

form = agent.page.forms.first
form['username'] = 'user'
form['password'] = 'pass'

agent.submit(form)

puts agent.page.body

このコードでは、まずMechanizeの新しいインスタンスを作成し、ログインページにアクセスしています。

次に、そのページの最初のフォームを取得し、ユーザー名とパスワードを入力しています。

最後に、そのフォームを送信してログインし、ログイン後のページの内容を出力しています。

最後に、Selenium WebDriverです。Selenium WebDriverは、ウェブブラウザの自動化ツールです。

Selenium WebDriverを使うと、JavaScriptで動的に生成されるコンテンツやAjaxを使用したサイトからも情報を取得することができます。

下記のコードは、Selenium WebDriverを使ってウェブページから情報を取得する例です。

require 'selenium-webdriver'



driver = Selenium::WebDriver.for :firefox
driver.get('http://example.com')

puts driver.page_source

driver.quit

このコードでは、Selenium WebDriverの新しいインスタンスを作成し、目的のURLにアクセスしています。

その後、ページのソースコードを出力し、WebDriverを閉じています。

これらのライブラリは、それぞれ異なる目的で使用されます。

例えば、静的なHTMLページから情報を取得するだけであればNokogiriが最適で、一方で動的なコンテンツを取得するためにはSelenium WebDriverが必要となるでしょう。

適切なライブラリを選択することで、効率的にスクレイピングを行うことができます。

●スクレイピングの注意点と対処法

スクレイピングを行う際には、いくつかの注意点があります。

最も重要なのは、法律やウェブサイトの規約を守ることです。

スクレイピングは、許可なく他人のデータを取得する行為となるため、法的な問題を引き起こす可能性があります。

そのため、スクレイピングを行う前には、必ず目的のウェブサイトの規約を確認し、法律を遵守するようにしてください。

また、スクレイピングは、サーバーに大きな負荷をかける可能性があります。

特に大量のリクエストを短時間に送ると、サーバーがダウンすることもあります。

このような事態を避けるためには、一度に送るリクエストの数を制限したり、リクエストを送る間隔をあけたりすることが必要です。

以上のような注意点を守りながら、Rubyでスクレイピングを行うことで、ウェブ上の大量の情報を効率的に収集することができます。

本記事を通じて、初心者でも手取り足取りRubyでスクレイピングを始めることができるでしょう。

○法律やサイトの規約について

スクレイピングを行う前に確認すべき大切な点として、対象とするウェブサイトの規約や法律を尊重することが挙げられます。

法的な問題を避けるため、これらの点は特に重視すべきです。

まず、ウェブサイトによってはスクレイピングを明示的に禁じているものもあります。

そのようなウェブサイトに対してスクレイピングを行うと、違法行為となります。

そのため、必ず各ウェブサイトの利用規約を確認しましょう。

次に、法律の視点から考えてみましょう。

例えば、データ保護に関する法律や、著作権法などは、スクレイピングの際に考慮すべき要素です。

個人情報の取り扱いや、無断での著作物の複製など、法律に反する行為は厳禁です。

なお、ウェブサイトの規約や法律の詳細については専門的な知識が必要な場合もありますので、必要に応じて専門家の助けを借りることを推奨します。

○サーバーに負荷をかけないようにする

スクレイピングを行う際には、対象となるウェブサイトのサーバーに負荷をかけないよう注意が必要です。

特に、一度に大量のリクエストを送ると、サーバーがダウンする可能性があります。

Rubyでスクレイピングを行う際には、一定の間隔をおいてリクエストを送ることで、この問題を防ぐことができます。

require 'open-uri'
require 'nokogiri'
require 'sleep'

urls = ['http://example.com/page1', 'http://example.com/page2', 'http://example.com/page3']

urls.each do |url|
  html = open(url).read
  doc = Nokogiri::HTML.parse(html)

  # スクレイピングのコードをここに書く

  sleep 5  # 5秒間スリープする
end

このコードでは、各URLに対してスクレイピングを行った後に、5秒間スリープすることで、リクエストの間隔を開けています。

このようにすることで、サーバーに過度な負荷をかけることなく、スクレイピングを行うことができます。

このスクレイピングの基本的なルールを理解し、適切に実行することが求められます。

Rubyでスクレイピングを始めるにあたり、これらの考え方を念頭に置くことが重要です。

まとめ

この記事ではRubyを使ったウェブスクレイピングについて、その準備と基本的な考え方を解説しました。

特に、法律やサイトの規約についての重要性と、サーバーに負荷をかけないようにする方法について詳しく説明しました。

また、実際にスクレイピングを行う際のサンプルコードを紹介し、その詳細な解説も行いました。

このコードでは、複数のURLをスクレイピングし、各リクエストの間に5秒のスリープタイムを設けてサーバーへの負荷を軽減しています。

これらの情報を基に、読者の皆様がRubyを用いたウェブスクレイピングに挑戦し、データ取得やデータ解析の技術を磨く一助となれば幸いです。

プログラミングは難しく思えるかもしれませんが、一歩一歩進めていくことで必ず身につけることができます。

是非、これからも当サイトご活用いただき、ウェブスクレイピングのスキルを習得し、あなたのプログラミングライフを充実させてください。