PHPで実現!5ステップでマスターする並列処理入門 – Japanシーモア

PHPで実現!5ステップでマスターする並列処理入門

PHPのコード例と並列処理の説明を含む図解PHP
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればカスタムコードを使って機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

プログラミングにおける並列処理の技術は、効率的なシステムを作るための重要な要素となっています。

特にPHPでの並列処理は、その手軽さと強力なパフォーマンスから、幅広い場面で活用されています。

本記事では、PHPでの並列処理を手取り足取り説明していきます。

理論的な部分から実際のサンプルコードまで、初心者から中級者までがPHPの並列処理を理解し、活用できるようになることを目指します。

●PHPにおける並列処理とは

並列処理とは、コンピュータが複数のタスクを同時に実行することを指します。

これにより、プログラムの処理速度を大幅に向上させることが可能となります。

○並列処理の基本

PHPでの並列処理は、主にマルチスレッドとマルチプロセスの2つの形態があります。

それぞれの特性を理解することで、適切な場面で最適な方法を選ぶことができます。

マルチスレッドは、1つのプロセス内で複数のスレッドを作成し、それぞれが同時に処理を進める形態です。

各スレッドはプロセスのメモリ空間を共有します。

一方、マルチプロセスは、複数の独立したプロセスを同時に実行する形態です。

各プロセスは独自のメモリ空間を持ち、プロセス間でのデータ共有には通信が必要となります。

●PHPでの並列処理の実装方法

PHPでの並列処理を実装する方法には、主に「pthreads」を用いたマルチスレッドと、「pcntl」を用いたマルチプロセスがあります。

○サンプルコード1:pthreadsを用いたスレッドの作成

このコードはpthreadsを用いて新しいスレッドを作成するサンプルです。

この例ではWorkerクラスを継承したMyWorkerクラスを定義し、その中でrunメソッドをオーバーライドしています。

新たなスレッドが作成されるとrunメソッドが実行されます。

<?php
class MyWorker extends Worker {
    public function run() {
        echo "新しいスレッドが実行されました。\n";
    }
}

$worker = new MyWorker();
$worker->start();
$worker->join();
?>

○サンプルコード2:pcntlを用いたプロセスの分岐

このコードはpcntlを用いて新しいプロセスを作成するサンプルです。

この例ではpcntl_fork関数を使い、新しい子プロセスを作成しています。

pcntl_fork関数は呼び出し元のプロセスを複製し、新しいプロセスIDを返します。

<?php
$pid = pcntl_fork();

if ($pid == -1) {
    die('プロセスの作成に失敗しました');
} elseif ($pid) {
    echo "親プロセスID:{$pid}\n";
} else {
    echo "子プロセスが作成されました\n";
}
?>

●PHPでの並列処理の応用例

基本的な並列処理の実装方法を学んだところで、次に具体的な応用例を見てみましょう。

○サンプルコード3:pthreadsを用いた複数スレッドでの計算

このコードではpthreadsを使って複数のスレッドを作成し、それぞれで異なる計算を行う例を示しています。

この例では2つのスレッドでそれぞれ異なる計算を行い、その結果を取得しています。

<?php
class CalculateWorker extends Worker {
    private $operand;

    public function __construct($operand) {
        $this->operand = $operand;
    }

    public function run() {
        return $this->operand * $this->operand;
    }
}

$worker1 = new CalculateWorker(2);
$worker1->start();
$worker1->join();

$worker2 = new CalculateWorker(3);
$worker2->start();
$worker2->join();

echo "2の2乗は: " . $worker1->run() . "\n";
echo "3の2乗は: " . $worker2->run() . "\n";
?>

○サンプルコード4:pcntlを用いた複数プロセスでのデータ処理

このコードではpcntlを使って複数のプロセスを作成し、それぞれで異なるデータを処理する例を示しています。

この例では2つのプロセスでそれぞれ異なるデータを処理しています。

<?php
for ($i = 0; $i < 2; $i++) {
    $pid = pcntl_fork();

    if ($pid == -1) {
        die('プロセスの作成に失敗しました');
    } elseif ($pid) {
        echo "親プロセスID:{$pid}\n";
    } else {
        echo "子プロセス{$i}が作成され、データを処理します\n";
        // ここでデータ処理
    }
}
?>

●並列処理の注意点と対処法

PHPで並列処理を行う際には、スレッドやプロセス間のデータ共有、同期、リソース競合などに注意が必要です。

これらの問題を解決するためには、適切な同期手段を利用すること、それぞれのスレッドやプロセスが独立して動作するように設計することが求められます。

まとめ

PHPでの並列処理は、一見難しそうに思えますが、理論を理解し、具体的なサンプルコードを通じて学べば、その強力さを実感することができます。

本記事を通じて、PHPの並列処理が、より効率的でパワフルなアプリケーションを作る手助けとなることを期待しています。