Rubyで抽象クラスを作成!全手順5つのステップで解説 – Japanシーモア

Rubyで抽象クラスを作成!全手順5つのステップで解説

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はじめに

プログラミングにおいて、抽象クラスは非常に重要な概念です。

これは、コードの再利用やメンテナンス性を向上させるための一助となるからです。

この記事では、Ruby言語を使用して抽象クラスを作成する方法について、初心者の方でも理解できるように詳細に解説します。

具体的な手順と実際のコードを通じて、抽象クラスの基本的な作り方から応用例までを学んでいきましょう。

●抽象クラスとは

抽象クラスとは、具体的な実装を持たないメソッド(これを抽象メソッドと呼びます)を含むクラスのことを指します。

このクラスは直接インスタンス化することはできず、子クラスで抽象メソッドを具体的に実装することが求められます。

これにより、共通のインターフェースを保ちつつも、各子クラスで異なる振る舞いを実現することが可能となります。

●Rubyでの抽象クラスの作り方

Rubyは動的型付け言語であり、厳密な意味での抽象クラスはサポートしていませんが、いくつかのテクニックを用いることで抽象クラスのような振る舞いをエミュレートすることが可能です。

それでは具体的なステップを見ていきましょう。

○ステップ1:基底クラスの作成

まず、基底となるクラスを作成します。

このクラスには具体的な実装を持たないメソッドを定義します。

class AbstractClass
  def abstract_method
    raise NotImplementedError, "You must implement #{self.class}##{__method__}"
  end
end

○ステップ2:抽象メソッドの定義

抽象メソッドは具体的な実装を持たないメソッドで、基底クラスでは例外を発生させるコードを書くことで、サブクラスでこのメソッドが実装されていないとエラーが発生するようにします。

○ステップ3:サブクラスの作成と抽象メソッドの実装

次に、基底クラスを継承したサブクラスを作成します。

そして、サブクラスで抽象メソッドを具体的に実装します。

class ConcreteClass < AbstractClass
  def abstract_method
    puts "ConcreteClass#abstract_method is called"
  end
end

○ステップ4:インスタンスの作成とメソッドの呼び出し

サブクラスのインスタンスを作成し、抽象メソッドを呼び出します。

concrete = ConcreteClass.new
concrete.abstract_method

○ステップ5:抽象クラスの注意点と対処法

抽象クラスとして定義したクラスのインスタンスを作成しようとすると、抽象メソッドが実装されていないためエラーが発生します。

これを防ぐためには、基底クラスを明示的にインスタンス化しないように注意が必要です。

以上が、Rubyで抽象クラスを作成するための基本的な手順です。

この手順に沿って具体的なコードを書くことで、Rubyにおける抽象クラスの作り方を理解できます。

次に、実際のコードとその実行結果について詳しく見ていきましょう。

●サンプルコードとその解説

ここでは、上記の手順に従ってRubyで抽象クラスを作成する具体的なサンプルコードと、その実行結果を解説します。

○サンプルコード1:基底クラスと抽象メソッドの作成

まず、抽象クラスとして振る舞う基底クラスを作成します。

ここではAbstractClassという名前のクラスを作成し、その中にabstract_methodというメソッドを定義します。

このメソッドは抽象メソッドであり、具体的な実装がないことを示すためにNotImplementedErrorを発生させます。

class AbstractClass
  def abstract_method
    raise NotImplementedError, "You must implement #{self.class}##{__method__}"
  end
end

このコードでは、AbstractClassクラスを作成し、その中にabstract_methodを定義しています。

このabstract_methodは抽象メソッドであり、具体的な実装がないことを示すためにNotImplementedErrorを発生させています。

○サンプルコード2:サブクラスの作成と抽象メソッドの実装

次に、AbstractClassを継承したConcreteClassを作成し、抽象メソッドabstract_methodを実装します。

class ConcreteClass < AbstractClass
  def abstract_method
    puts "Concrete

Class#abstract_method is called"
  end
end

このコードでは、AbstractClassを継承した新たなクラスConcreteClassを作成しています。

そして、抽象メソッドであるabstract_methodをこのConcreteClass内で実装しています。

○サンプルコード3:インスタンスの作成とメソッドの呼び出し

最後に、ConcreteClassのインスタンスを作成し、abstract_methodを呼び出します。

concrete = ConcreteClass.new
concrete.abstract_method

これにより、実装したabstract_methodが呼び出され、”ConcreteClass#abstract_method is called”と出力されます。

以上が、Rubyで抽象クラスを作成し利用する一連の流れです。

●抽象クラスの応用例

それでは、抽象クラスの具体的な応用例について見ていきましょう。

○応用例1:デザインパターンと抽象クラス

抽象クラスは、いわゆる「デザインパターン」における重要な要素です。

デザインパターンとは、ソフトウェア設計における一般的な問題を解決するためのテンプレートやパターンのことを指します。

抽象クラスは、特に「テンプレートメソッドパターン」や「ファクトリーメソッドパターン」などで活用されます。

○応用例2:データの検証と抽象クラス

抽象クラスは、データの検証にも利用できます。

具体的なクラスに応じた検証メソッドを抽象クラス内で定義し、それを継承した具体的なクラスで実装することで、柔軟かつ効率的なデータ検証が可能となります。

まとめ

以上が、Rubyで抽象クラスを作成するための具体的な手順とその応用例になります。

Rubyでは直接的な抽象クラスのサポートはありませんが、特定のメソッドを必ずオーバーライドさせることで、抽象クラスと同じような働きをさせることが可能です。

これにより、コードの再利用性と拡張性を高めることができます。

抽象クラスは、クラス間の関係を明確にし、一貫性を保つための重要な道具です。

この記事を参考に、ぜひRubyで抽象クラスを作成してみてください。