CSS Flexboxで折り返し表示を作る方法と応用例

CSS Flexboxで折り返しを徹底解説 CSS
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この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

基本的な知識があればサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってあります。

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はじめに

CSS Flexboxは、現代のウェブデザインにおいて不可欠な技術です。

この記事では、Flexboxを使った折り返し表示の作り方と応用例を、初心者でも理解しやすいように詳しく解説します。

Flexboxの基本的な概念から始めて、具体的な実装方法、さらには応用例までを網羅していきます。

この記事を読むことで、Flexboxの基本をマスターし、さまざまなレイアウトの問題を解決できるようになるでしょう。

●CSS Flexboxとは

Flexbox、またはフレキシブルボックスレイアウトは、CSS3の一部として導入されたレイアウトモデルです。

主に、ウェブページ上の要素を柔軟かつ効率的に配置し、整列させるために使用されます。

従来のボックスモデルと比較して、Flexboxはより動的なレイアウトを可能にし、特に複数のデバイスや画面サイズに対応するレスポンシブデザインを容易にします。

○Flexboxの基本概念

Flexboxを理解するためのキーとなるのは、「フレックスコンテナ」と「フレックスアイテム」の二つの概念です。

フレックスコンテナは、Flexboxレイアウトを適用したい要素の親となります。

このコンテナ内のすべての子要素は、フレックスアイテムとして扱われ、Flexboxのプロパティによって制御されます。

これにより、アイテム間のスペースの分配、整列、順序の変更などが可能になります。

○Flexboxの特徴と利点

Flexboxの主な特徴は、柔軟性と応答性です。

コンテナのサイズが変更されたとき、または内包するアイテムの数やサイズが変更されたとき、フレックスアイテムは自動的に適切に調整されます。

これは、特にレスポンシブデザインを考慮する場合に非常に有用です。

また、Flexboxは複雑なレイアウトもシンプルなコードで実現可能にし、垂直方向の整列や同じ行や列内の要素間隔の均等配分など、従来は難しかったレイアウトも簡単に行えます。

●Flexboxの基本的な使い方

Flexboxを使用する基本的なプロセスは、まずFlexboxを適用したい要素をフレックスコンテナに指定することから始まります。

これは、CSSでその要素に display: flex; または display: inline-flex; を設定することで実現します。

フレックスコンテナになった要素の直接の子要素は自動的にフレックスアイテムとなり、Flexboxの様々なプロパティを使用して制御できるようになります。

フレックスコンテナには多くのプロパティがあり、それらを使ってアイテムの配置、方向、折り返し、整列方法を細かく調整できます。

例えば、flex-direction プロパティを使用してアイテムが水平方向(row)に並ぶか、垂直方向(column)に並ぶかを指定できます。

また、justify-content プロパティでアイテム間の水平方向のスペースを、align-items プロパティで垂直方向のスペースを制御できます。

○サンプルコード1:基本的なFlexboxレイアウト

下記のサンプルコードでは、Flexboxを使用して基本的なレイアウトを作成する方法を表しています。

このコードでは、親要素に display: flex; を適用し、子要素(フレックスアイテム)を水平方向に整列させています。

.container {
  display: flex;
  justify-content: space-between;
  align-items: center;
}
.item {
  width: 100px;
  height: 100px;
  background-color: lightblue;
  margin: 5px;
}

このコードでは、.container クラスを持つ要素をフレックスコンテナに設定し、その中の .item クラスを持つ要素をフレックスアイテムとして配置しています。

justify-content: space-between; により、フレックスアイテム間に均等なスペースを設け、align-items: center; により、アイテムを垂直方向の中央に配置しています。

このコードを実行すると、フレックスアイテムは水平方向に均等に配置され、それぞれのアイテムが垂直方向の中央に整列されることになります。

○サンプルコード2:折り返し表示の実現

Flexboxの強力な機能の一つに、コンテナ内のスペースが不足したときにアイテムを自動的に次の行に折り返す機能があります。

これは flex-wrap プロパティを使用して制御できます。

下記のサンプルコードでは、フレックスアイテムがコンテナの幅を超えると、自動的に次の行に折り返されるように設定しています。

.container {
  display: flex;
  flex-wrap: wrap;
}
.item {
  width: 100px;
  height: 100px;
  background-color: lightblue;
  margin: 5px;
}

このコードでは、flex-wrap: wrap;.container クラスに適用することで、子要素(.item)がコンテナの幅を超えた場合に次の行に折り返されるようにしています。

これにより、画面のサイズやコンテナの幅に応じて、アイテムが動的に整列されます。

○サンプルコード3:アイテムの整列と配分

Flexboxを使用する際、アイテムの整列と配分は重要な要素です。

これは、コンテナ内のアイテムをどのように配置するかを決定するために使用されます。

たとえば、justify-content プロパティを使用すると、水平方向の配置を調整できます。

同様に、align-items プロパティは垂直方向のアイテムの配置を決定します。

下記のサンプルコードでは、水平方向にアイテムをスペースイーブンリー(space-evenly)で配置し、垂直方向にはセンター(center)で整列させています。

.container {
  display: flex;
  justify-content: space-evenly;
  align-items: center;
}
.item {
  width: 100px;
  height: 100px;
  background-color: lightblue;
}

このコードでは、.container クラスに display: flex; を設定し、フレックスアイテムを水平方向に均等に配置し、垂直方向に中央に整列させています。

この設定を行うことで、アイテム間の空間が均等に配分され、見た目上バランスの取れたレイアウトを作成できます。

○サンプルコード4:方向性の変更

Flexboxのもう一つの強力な機能は、アイテムの方向性を簡単に変更できる点です。

flex-direction プロパティを使用すると、アイテムの流れを行(row)または列(column)に設定することができます。

これにより、異なるデバイスや画面サイズに適応するフレキシブルなレイアウトを容易に作成できます。

下記のサンプルコードでは、フレックスアイテムを縦方向(column)に配置しています。

.container {
  display: flex;
  flex-direction: column;
  align-items: center;
}
.item {
  width: 100px;
  height: 100px;
  background-color: lightblue;
  margin-bottom: 10px;
}

このコードでは、flex-direction: column; を使って、.container クラス内のアイテムを垂直に配置しています。

align-items: center; はアイテムをコンテナの中央に整列させ、margin-bottom: 10px; はアイテム間の垂直方向のスペースを調整しています。

このように設定すると、アイテムは垂直方向に整然と配置され、それぞれのアイテムが中央に揃えられます。

●Flexboxの応用例

Flexboxはその柔軟性から、さまざまな応用が可能です。

レスポンシブデザイン、動的なレイアウト変更、複雑なアライメントなど、現代のWebデザインが要求する様々なニーズに応えることができます。

ここでは、特にレスポンシブデザインと複数列のレイアウトに焦点を当てた応用例を紹介します。

○サンプルコード5:レスポンシブデザインでの折り返し表示

レスポンシブデザインでは、異なる画面サイズに適応するために、コンテンツのレイアウトを動的に変更する必要があります。

Flexboxを使用すると、画面の幅に応じてアイテムの配置やサイズを変更することが簡単にできます。

下記のサンプルコードでは、画面サイズに応じてアイテムの列数を変更する方法を表しています。

.container {
  display: flex;
  flex-wrap: wrap;
}
.item {
  flex: 1 1 200px;
}
@media (max-width: 600px) {
  .item {
    flex: 1 1 100%;
  }
}

このコードでは、.containerflex-wrap: wrap; を設定してアイテムが折り返されるようにしています。

.itemflex: 1 1 200px; を設定することで、各アイテムは幅が200px以上の場合にフレキシブルに拡張し、画面幅が600px以下になると flex: 1 1 100%; が適用され、アイテムが画面幅いっぱいに拡大します。

○サンプルコード6:複数列のレイアウト

複数列のレイアウトは、特にニュースサイトやポートフォリオなど、多くのコンテンツを効率的に表示する場合に有用です。

Flexboxを使用すると、一定の間隔で複数列のレイアウトを簡単に作成できます。

下記のサンプルコードでは、3列のレイアウトを作成する方法を表しています。

.container {
  display: flex;
  flex-wrap: wrap;
}
.item {
  flex: 1 1 calc(33.33% - 10px);
  margin: 5px;
}

このコードでは、.containerflex-wrap: wrap; を設定し、.itemflex: 1 1 calc(33.33% - 10px); を設定しています。

これにより、各アイテムはコンテナの約1/3の幅を占め、間に10pxのスペースを持つ3列のレイアウトが形成されます。

margin: 5px; はアイテム間のスペースを調整します。

○サンプルコード7:動的な要素の調整

Webページ上の要素は常に静的なものではありません。

ユーザーの操作や画面サイズの変更に応じて動的に変化することが求められることが多いです。

Flexboxを使用すると、これらの動的な変化に柔軟に対応できます。

下記のサンプルコードでは、ユーザーの操作によって動的に変化する要素のレイアウトを調整する方法を表しています。

.container {
  display: flex;
}
.item {
  flex-grow: 1;
  transition: flex-grow 0.5s ease;
}
.item:hover {
  flex-grow: 2;
}

このコードでは、.containerdisplay: flex; を設定してフレックスコンテナを作成しています。

.item には flex-grow: 1; を設定し、ユーザーがアイテムにホバーした際に flex-grow: 2; に変更します。

これにより、ホバーされたアイテムは他のアイテムよりも大きく表示されるようになり、transition: flex-grow 0.5s ease; によって滑らかなアニメーション効果が付加されます。

○サンプルコード8:高度な整列オプション

Flexboxには、高度な整列オプションも用意されています。

これらを使用することで、より複雑で洗練されたレイアウトを実現できます。

下記のサンプルコードでは、アイテムをコンテナの端に寄せたり、均等に配分したりする方法を表しています。

.container {
  display: flex;
  justify-content: space-between;
}
.item:first-child {
  align-self: flex-start;
}
.item:last-child {
  align-self: flex-end;
}

このコードでは、.containerdisplay: flex;justify-content: space-between; を設定し、アイテムをコンテナの両端に均等に配置しています。

更に、.item:first-childalign-self: flex-start; を、.item:last-childalign-self: flex-end; を適用することで、それぞれのアイテムをコンテナの上端と下端に配置しています。

これにより、フレックスアイテムは個別に異なる位置に整列することが可能になります。

●Flexboxの注意点と対処法

Flexboxは非常に強力なレイアウトツールですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。

これらの問題を理解し、適切に対処することで、より効果的にFlexboxを活用することができます。

○一般的な問題と解決策

一つの注意点は、フレックスアイテムが親コンテナを超えて伸びることがある点です。

これを防ぐためには、フレックスアイテムに max-widthmax-height プロパティを設定すると良いでしょう。

また、アイテムの配置に関する予期しない挙動が発生する場合は、flex-shrinkflex-grow の値を調整することで解決できることがあります。

Flexboxを使用する際には、アイテムの並び順が視覚的には変わっても、DOMの構造は変わらないため、アクセシビリティに配慮する必要があります。

特に、スクリーンリーダーを使用するユーザーにとっては、視覚的な並び順とDOMの構造が一致していないと混乱を招く可能性があるため、注意が必要です。

○ブラウザ間の互換性と対処法

Flexboxのもう一つの重要な注意点は、ブラウザ間の互換性です。

古いブラウザではFlexboxの一部の機能がサポートされていない場合があります。

これに対処するためには、プログレッシブエンハンスメントを心がけることが重要です。

基本的なレイアウトは古いブラウザでも機能するように設計し、Flexboxをサポートするブラウザではより高度なレイアウトを提供するようにします。

また、ブラウザの開発者ツールを使用して、異なるブラウザでのレンダリングをテストし、問題があればCSSのフォールバックやポリフィルを使用して対応することができます。

ブラウザの互換性に関する情報は、Can I Useなどのウェブサイトで確認すると良いでしょう。

●Flexboxのカスタマイズ方法

Flexboxは高度にカスタマイズ可能なレイアウトツールです。

柔軟性の高いレイアウトを設計するために、いくつかのテクニックやヒントがあります。これらを理解し応用することで、さまざまなウェブデザインのニーズに対応することが可能です。

これらを理解し応用することで、さまざまなウェブデザインのニーズに対応することが可能です。

○柔軟性の高いレイアウトの設計

柔軟性の高いレイアウトを設計するためには、flex-growflex-shrinkflex-basisのプロパティを適切に使用します。

これらのプロパティを利用することで、コンテンツのサイズが変わっても、レイアウトが崩れることなく適応できるようになります。

たとえば、flex-growを使用することで、利用可能なスペースに応じてフレックスアイテムが拡大し、flex-shrinkはコンテナのサイズが小さくなったときにアイテムのサイズを調整します。

また、justify-contentalign-itemsのプロパティを使用することで、フレックスアイテムの位置を調整し、より複雑なレイアウトを実現することができます。

これらのプロパティを使うことで、アイテムを中央揃えにしたり、スペースを均等に分配したりすることが可能です。

○独自スタイルの適用

Flexboxを使って独自のスタイルを適用する際には、CSS変数やSassのようなプリプロセッサを利用すると効率的です。

これにより、一貫性を保ちながら複数の場所で同じレイアウトパターンを簡単に再利用できます。

例えば、特定のフレックスレイアウトのスタイルを変数として定義し、異なるコンポーネントでそれを適用することができます。

まとめ

この記事では、CSS Flexboxを使って折り返し表示を作る方法とその応用例について詳しく解説しました。

Flexboxは、レスポンシブで柔軟なウェブデザインを実現するための強力なツールです。基本的な使い方から応用技術まで、Flexboxは多様なレイアウトニーズに対応します。

特に重要なのは、アイテムの整列と配分をコントロールする能力です。

これにより、さまざまな画面サイズに対応する柔軟なウェブデザインが可能になります。

本記事が提供する情報とサンプルコードを活用することで、読者の皆さんがより効果的なウェブデザインを創り出す助けになれば幸いです。