読み込み中...

【Ruby】多次元配列の扱い方8選!初心者でも理解できる徹底解説

Rubyの多次元配列を図解した画像 Ruby
この記事は約10分で読めます。

【サイト内のコードはご自由に個人利用・商用利用いただけます】

この記事では、プログラムの基礎知識を前提に話を進めています。

説明のためのコードや、サンプルコードもありますので、もちろん初心者でも理解できるように表現してあります。

本記事のサンプルコードを活用して機能追加、目的を達成できるように作ってありますので、是非ご活用ください。

※この記事は、一般的にプロフェッショナルの指標とされる『実務経験10,000時間以上』を満たす現役のプログラマチームによって監修されています。

※Japanシーモアは、常に解説内容のわかりやすさや記事の品質に注力しております。不具合、分かりにくい説明や不適切な表現、動かないコードなど気になることがございましたら、記事の品質向上の為にお問い合わせフォームにてご共有いただけますと幸いです。
(送信された情報は、プライバシーポリシーのもと、厳正に取扱い、処分させていただきます。)

はじめに

Rubyを学んでいる皆さんは、多次元配列というものについて学習したことがありますか?

それとも、これから学ぶ予定ですか?

もし「多次元配列って何?」と思った方も、この記事を読むことでRubyでの多次元配列の扱い方が理解できるようになります。

この記事では、「Rubyにおける多次元配列の扱い方」を、初心者でも理解できるように10の具体例をもとに詳細に解説します。

それぞれのテーマに沿ったサンプルコードを用意しているので、ぜひ実際に試しながら学んでいってください。

●Rubyと多次元配列の基本

まずは基本からです。

Rubyと多次元配列の基本について説明します。

○Rubyの配列とは

Rubyにおける配列とは、複数のデータを順序付けて格納するためのデータ構造です。

それぞれのデータはインデックスと呼ばれる番号によって管理され、このインデックスを指定することでデータを取り出したり、書き換えたりすることができます。

○多次元配列の概念

一方、多次元配列とは何でしょうか。

これは「配列の中に配列が存在する」状態を指します。例えば、2次元配列は行と列を持つ表のようなデータ構造を表現することができます。

3次元配列ならば立方体のようなデータ構造を表現することが可能となります。

このように、多次元配列は複雑なデータ構造を扱う際に非常に便利なツールとなります。

●多次元配列の作成方法

それでは、Rubyで実際に多次元配列を作成してみましょう。

○サンプルコード1:

多次元配列の作成

Rubyで2次元配列を作成するためのサンプルコードを紹介します。

# 2次元配列の作成
array = [[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]

このコードでは、3つの1次元配列([1, 2, 3]、[4, 5, 6]、[7, 8, 9])を含む2次元配列を作成しています。

この例では、各1次元配列は3つの要素を含んでいますが、それぞれの1次元配列が含む要素数は同じである必要はありません。

このコードを実行すると、次のような2次元配列が作成されます。

[[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]

各配列の中にある数字は全てインデックスによって管理され、そのインデックスを用いて値を取り出したり書き換えたりすることが可能です。

●多次元配列の値の取得方法

多次元配列から特定の値を取得する方法について見ていきましょう。

ここでもサンプルコードを用いて具体的に説明します。

○サンプルコード2:多次元配列から値を取得

Rubyで多次元配列から特定の値を取得するためのサンプルコードを紹介します。

# 2次元配列の作成
array = [[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]

# 値の取得
value = array[1][2]  # => 6

このコードでは、2次元配列arrayから値を取得しています。

取得する値の位置は、array[1][2]という形で指定します。

この例では、「配列の2番目(インデックスは1から始まる)の配列の3番目の要素」を取得しています。

このコードを実行すると、「6」という値が取得できます。

つまり、valueには「6」が格納されます。

このように、多次元配列からは複数のインデックスを使って特定の値を取得することができます。

●多次元配列の値の設定方法

次に、多次元配列の特定の位置にある値を設定する方法について説明します。

○サンプルコード3:多次元配列の値の設定

Rubyで多次元配列の特定の位置に値を設定するためのサンプルコードを紹介します。

# 2次元配列の作成
array = [[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]

# 値の設定
array[1][2] = 10

このコードでは、2次元配列arrayの特定の位置にある値を設定しています。

設定する位置は、array[1][2]という形で指定し、その位置に10という値を設定しています。

このコードを実行すると、arrayの値は次のように変わります。

[[1, 2, 3], [4, 10, 6], [7, 8, 9]]

ここで、2番目の配列の3番目の要素が「6」から「10」に変わっていることに注目してください。

このように、多次元配列では特定の位置の値を簡単に書き換えることが可能です。

続いては、多次元配列に値を追加する方法を見ていきましょう。

●多次元配列の値の追加方法

さて、次に、Rubyで多次元配列に新しい値を追加する方法を見ていきましょう。

○サンプルコード4:多次元配列に値を追加

Rubyで多次元配列に新しい値を追加するためのサンプルコードを紹介します。

# 2次元配列の作成
array = [[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]

# 値の追加
array[1] << 10

このコードでは、2次元配列arrayに新しい値を追加しています。

追加する位置は、array[1]という形で指定し、その配列の末尾に10という値を追加しています。

これは、<<という演算子を用いて行っています。

このコードを実行すると、arrayの値は次のように変わります。

[[1, 2, 3], [4, 5, 6, 10], [7, 8, 9]]

ここで、2番目の配列の末尾に「10」が追加されていることに注目してください。

このように、Rubyでは特定の配列に対して簡単に新しい値を追加することが可能です。

それでは、次に、多次元配列の具体的な活用例を見ていきましょう。

●多次元配列の活用例

多次元配列は、様々な場面で活用されます。

いくつかの代表的な活用例をサンプルコードと共に見ていきます。

まずは、行列の加算から始めましょう。

○サンプルコード5:行列の加算

Rubyで行列の加算を行うためのサンプルコードを紹介します。

# 2つの2次元配列(行列)の作成
matrix1 = [[1, 2], [3, 4]]
matrix2 = [[5, 6], [7, 8]]

# 行列の加算
result = Array.new(2) { Array.new(2, 0) }  # 結果を格納する2次元配列の初期化
for i in 0..1 do
  for j in 0..1 do
    result[i][j] = matrix1[i][j] + matrix2[i][j]
  end
end

このコードでは、matrix1matrix2という2つの2次元配列(行列)の各要素を加算して、新たな行列resultを作成しています。

ループを使って、対応する要素を一つずつ加算し、その結果をresultの対応する位置に格納しています。

このコードを実行すると、resultの値は次のようになります。

[[6, 8], [10, 12]]

次に、行列の乗算について見ていきましょう。

○サンプルコード6:行列の乗算

Rubyで行列の乗算を行うためのサンプルコードを紹介します。

# 2つの2次元配列(行列)の作成
matrix1 = [[1, 2], [3, 4]]
matrix2 = [[5, 6], [7, 8]]

# 行列の乗算
result = Array.new(2) { Array.new(2, 0) }  # 結果を格納する2次元配列の初期化
for i in 0..1 do
  for j in 0..1 do
    for k in 0..1 do
      result[i][j] += matrix1[i][k] * matrix2[k][j]
    end
  end
end

このコードでは、matrix1matrix2という2つの2次元配列(行列)を乗算して、新たな行列resultを作成しています。

3つのループを使って、行列の乗算の計算を行い、その結果をresultの対応する位置に格納しています。

このコードを実行すると、resultの値は次のようになります。

[[19, 22], [43, 50]]

これらの行列の加算や乗算の例からも分かるように、多次元配列は数学的な計算において非常に役立ちます。

次に、データの整理について見ていきましょう。

○サンプルコード7:データの整理

Rubyで多次元配列を用いてデータを整理するためのサンプルコードを紹介します。

# データの作成
data = [
  ['Apple', 150],
  ['Banana', 100],
  ['Cherry', 200],
  ['Date', 250]
]

# データの表示
data.each do |fruit, price|
  puts "The price of #{fruit} is #{price}."
end

このコードでは、dataという2次元配列を用いてフルーツとその価格のデータを管理しています。

そして、eachメソッドを用いて、そのデータを一つずつ取り出して表示しています。

このコードを実行すると、次のような出力が得られます。

The price of Apple is 150.
The price of Banana is 100.
The price of Cherry is 200.
The price of Date is 250.

このように、多次元配列は複数の関連するデータを一緒に管理するためにも用いられます。

最後に、ゲーム開発での応用例を見ていきましょう。

○サンプルコード8:ゲーム開発での応用

Rubyでゲーム開発における多次元配列の活用例を紹介します。

# ゲームのマップを2次元配列で表現
map = [
  ['.', '.', '.', '#', '.', '.', '.', '.'],
  ['.', '#', '.', '#', '.', '#', '.', '.'],
  ['.', '#', '.', '#', '.', '#', '#', '.'],
  ['.', '.', '.', '.', '.', '.', '#', '.'],
  ['#', '#', '#', '#', '.', '#', '#', '.'],
  ['.', '#', '.', '.', '.', '.', '.', '.'],
  ['.', '#', '#', '#', '#', '#', '.', '#'],
  ['.', '.', '.', '.', '.', '.', '.', '.']
]

# マップの表示
map.each do |row|
  puts row.join(' ')
end

このコードでは、mapという2次元配列を用いてゲームのマップを表現しています。

.は通路を、#は壁を表しています。そして、eachメソッドを用いて、マップを一行ずつ取り出して表示しています。

このコードを実行すると、次のような出力が得られます。

. . . # . . . .
. # . # . # . .
. # . # . # # .
. . . . . . # .
# # # # . # # .
. # . . . . . .
. # # # # # . #
. . . . . . . .

このように、多次元配列はゲームのマップなど、2次元的なデータの表現に非常に適しています。

次に、多次元配列の使用時に注意すべき点とその対処法について見ていきましょう。

●多次元配列の注意点と対処法

Rubyの多次元配列は非常に便利ですが、その使い方にはいくつか注意が必要です。

特に、配列のコピーと参照の違いについて理解しておくと、思わぬバグを防ぐことができます。

また、Rubyの配列は動的にサイズを変更することが可能ですが、大きな配列を扱う場合にはパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。

そのような場合には、配列のサイズを予め指定しておくことで、効率的にメモリを使用することができます。

以上が、Rubyでの多次元配列の基本的な扱い方と活用例です。

配列は非常に汎用性の高いデータ構造であり、その理解はプログラミング力を向上させる上で欠かせません。

まとめ

この記事では、Rubyにおける多次元配列の扱い方について、基本的な操作から応用例まで詳細に解説しました。

Rubyの多次元配列は、行列計算やデータの整理、ゲーム開発など、様々な場面で活用できます。

これらの知識が、あなたのRubyプログラミングの理解を深め、より効率的なコードの作成に役立つことを願っています。